多いのは、何が言いたいのかわからない質問だ。「質問の意図がわかりにくく、何を聞きたいのかわからない」(九州大学、理系)、「10~15分で終わり、何を見たいのかわからず、質問の意図が不明」(早稲田大学、文系)、「面接官の話の筋が通っていなかった」(清泉女子大学、文系)、「ただ雑談して、どう物事の方向性を持って行こうとしているかわからない」(慶應義塾大学、理系)といった意見が相次ぐ。さらに、「自分が発した言葉に対して、つっかかってくる」(昭和女子大学、文系)、「話すスピードが異様に遅い面接官による面接」(筑波大学、文系)と、ペースを乱す面接官に対しても、悪い印象を抱いているようだ。
言葉遣いの関するクレームもある。「グループ面接で担当人事の言葉遣いが変だった。相づちで『なるほどですね』と言っていたため印象が悪くなった」(学習院女子大学、文系)というコメントだが、言葉を間違って覚えている若手社員は多い。「なるほどですね」は間違いだが、使う人はかなりいる。同意するなら「なるほど、そうですね」が正しい言葉遣いだ。
学生も違和感を持つ「なるほどですね」
7 マナーが悪い
人事に「採りたくない学生」を問うと、「礼儀や社会一般常識がない学生」、「挨拶のできない学生」、「言葉使い等、マナーがなってない学生」と礼儀、マナー、一般常識に、厳しい注文を付けている。ところが、学生たちの証言によれば、マナーが悪い面接官がかなり多い。
営業がクライアントと商談するときに、「マスクを付けたまま」、「腕組みをする」、「机にひじをつく」、「ノートのメモやノートパソコンの画面ばかり見る」などは許されない。クライアントに対してやらないことを、面接官は学生に対して平気でしている。深層心理で学生を見下しているのではないかと思う。
「面接官がマスクをしている」(明治大学、文系)、「腕組みをしていた」(近畿大学、理系)、「メモばかり取っている」(大阪府立大学、理系)、「パソコンをいじりながら面接をする人」(東海大学、理系)、「面接官が机にひじをついて話していた面接」(大阪大学、文系)、「面接官がずっとパソコンをいじっていた」(専修大学、文系)、「面接中に社員さんがあくびをしていた」(中央大学、文系)、「面接官が敬語を使わない」(大阪大学、文系)と、批判が相次ぐ。どれも面接官としてではなく、社会人としてアウトだろう。
8 遅刻をする
人事は学生に説明会や面接での「遅刻厳禁」を強調するが、案外に人事担当者や面接官の遅刻は多そうだ。「担当者が遅刻してくる。担当者が遅刻したせいなのか、手短かに終わらせようとしている印象があり、話を聞く態度が空々しい。偉そうに話をされる」(早稲田大学、文系)、「話を聞く態度が悪く、相手が開始時間を10分ほど遅れてきたのに、早く終わらせようとする姿が見受けられた」(早稲田大学、文系)、「面接官が遅刻をしても、何もなかったかのように始める」(大阪経済法科大学、文系)。
面接官の印象で志望を決める学生は多い。しかし、実際には面接官教育は不十分で、業務の合間を縫ってしぶしぶと面接をし、ときには遅刻する社員も多い。これでいい学生がとれるほど、採用は甘くない。本気でいい人材をほしいと願うなら、学生に評価され、好かれる面接官を養成することが必須である。
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