また、(2)のそもそも直接的に関係ない人が「話聞いてない」と言い出すことも、地域では多々あります。資金を出すわけでもなく、別に隣近所であるわけでもないのに、急に脈略もなく「話聞いてない」と差し込んでくる人もいます。この手の人は、大抵、その多くが「やることなすこと、気に入らない」わけです。そのまま言うと幼稚だととらえられるので、建前で「話聞いてない」と言い換えています。この場合、どんなに事業の説明をロジカルにしたところで、通じません。
話聞いてないオジサンに時間を割いてはいけない理由
話聞いてないオジサンに振り回されてはいけません。これには主として3つの理由があります。
(1)個別に時間を割くと膨大な時間がとられ、事業が失敗する
「膨大な時間をとられる」とは前にも書いたとおりですが、たとえば1時間の説明を10人にするだけで10時間もかかります。しかも「聞いてない!」というオジサンは1時間程度の説明を1度したところで、「そうか」などと言ってはくれません。何度も何度も「聞いてない」と言い、呼び出されます。そんなことをやっていたら、1週間どころか1カ月だってあっという間に過ぎていきます。
結果として、本来なら事業開発や営業などに割くべき時間が少なくなり、「失敗へ一直線」になることが少なくありません。それでは「ほら、オレたちがいったとおりだ」などということになり、聞いてないオジサンたちの思うツボです。
(2)話をしてもわかり合えず、さらに嫌われる
人間、気に入らないことは、頭に入ってこないものです。大抵は話を聞いていないのではなく、企画立案時には「オレの納得するような話になっていない」ということが多いのです。また、状況が悪くなったときには「オレは関係していない。責任はない」と言いたいがために「オレは聞いていない」と言っているわけです。結局、どこまでいっても自分が納得するような結果にならないかぎりは、「聞いた」とはならないわけです。
そのような中で、個別に説得を行えば、むしろ話はこじれ、「生意気なやつ」くらいの扱いになり、よりいっそう圧力をかけたりします。ほとんどの場合、「向き合い損」なのです。
(3)聞いてないオジサンのほうを向くと、支持者がいなくなる
そもそも協力者であったり、事業に取り組む支持者である人たちは「話聞いてない」なんて言わず、自分から聞きに来てくれます。「最近どうだ?」「うまくいっているか?」「困ってないか?」「人、紹介しようか?」と、必要なリソースを提供してくれる彼らこそ、事業立ち上げに欠かせない人たちです。
にもかかわらず、「声だけは大きい聞いてないオジサン」に振り回され、彼らの言うままに妥協などしていると、そのうちせっかくの協力者や支持者から愛想をつかされます。向き合うべきは支えてくれる協力者であり、話聞いてないオジサンではありません。しかも、何より、「その他大勢の人」は無関心です。話聞いてないオジサンよりも、そちらのほうがはるかに問題なのです。
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