「北京お見合い広場」に親たちが殺到するワケ

婚活アプリ全盛の時代になぜアナログ婚活?

中国人にとって不動産を持つことはステータスであり結婚の条件。だから、この男性のようにもともと北京出身で、すでに不動産を持っているといえば最強、鬼に金棒なはずなのだ。

それなのに、親がわざわざお見合い広場に足を運ぶ。もしかしたら何か裏があるのか、あるいは、親が過保護すぎるんじゃないか? とも思ったが、私はとりあえず話をうやむやにして、その場を後にした。

親たちのほうが熱心というアンバランスさ

ウロウロ歩いて地面に広げられた紙を眺めて歩いたのだが、何度も熱心な親たちから声を掛けられた。履歴が書かれた紙を1枚ずつ見てみると「相手には(経済的)負担を掛けません」とか、父母の職業まで書き添えて「安心してください」という言葉まで書いてある。そのほとんどがかなりの好条件だ。

そんなによい条件ならば、何も毎週日曜日に朝から晩まで公園にいて、お相手探しをする必要はないのではないか? と思ってしまうが、これはやはり、まずは声を掛けてもらったり、リアルなお見合いの場に持ち込むための第1段階なのかもしれない、とも思った。日本のお見合いでも、略歴はともかく、顔写真は実物を修正した写真を使うのは普通のことなので、それだけだと印象が弱いのかもしれない。

お見合い広場に群がる親たちを見ていて感じたのは、子どもはそっちのけで、親たちのほうが結婚に非常に熱心だというアンバランスさだ。

公園では2人だけ若者(お見合いする本人)も見かけたが、99%は両親、または祖父母? といえる年齢の人々だった。話してみると、北京出身者よりも近隣の河北省、山西省などから来ている人が多く、それぞれの故郷や子どもの自慢、北京の市場で買ったものなどについて楽しそうに話をしていた。

そういえば、以前、上海の人民公園で取材したときに聞いた話では、お見合い広場に来ている親たちの多くは、都会で働く息子や娘の生活を心配して田舎から出てきて、しばらくの間、子どものマンションに住みつき、料理や洗濯を手伝っているうちにお見合い広場の存在を知った、あるいはお見合い広場に行ってみたいので、子どもの家に転がり込んだ、ということだった。

「そこに行ったら、たくさん情報があるの? うちの子にも、もしいいお相手がいれば……」と淡い期待を抱くだけでなく、同じように子どもの結婚問題に悩む同世代の親たちと情報交換してみたい、という思いが強いからだ。本当にその場でいい相手が見つかればもちろん御の字だが、そうでなかったとしても、同じ年代、同じように適齢期の子どもを持つ親同士、さみしさを紛らわせたい、慰め合いたい、情報を共有したい、という思いがあり、公園は親たちの代理婚活の場、形を変えた一種の社交場になっているのだ、という印象を受けた。

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