「北京お見合い広場」に親たちが殺到するワケ 婚活アプリ全盛の時代になぜアナログ婚活?

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お見合い広場に群がる親たち

「な、何なんだろう? これは……いったい、この人だかりは?」

5月中旬、北京の有名な観光地、故宮博物院を見物した後、隣接する中山公園から出口に向かって歩き出したときのことだ。

日曜日の夕方とはいえ、公園の一角にものすごい数の人が群がっている。故宮を見物した団体客はこの道は通らないはずだし、おかしいなぁ……。しかし、ちょっと異様な熱気みたいなものがムンムン伝わってきて、つい怖いもの見たさで「その場所」に足が向いてしまった。

驚いた。50~70代とおぼしき男女が地面にずら~っと小さな紙を並べ、立ったり座ったりしながら熱く語り合っていたのだ。

子どものための代理お見合い広場

私はすぐにピーンと来た。これは未婚の中国人の父母たちによる「子どものための代理お見合い広場」じゃないか!

私は4~5年前も上海の人民公園で父母によるお見合いの現場を取材したことがあった。中国の大都市ではこのように公園の一角を活用して、未婚の子どものために、父母たちが子どもの釣書(履歴書)を見せながら、「うちの子、お宅のお嫁さんに(お婿さんに)どうでしょう?」的なお見合いを繰り広げることはごく一般的だ。

当時、その人民公園のお見合い広場では、お天気の日でも雨傘に紙を貼りつけるというユニークな紹介の仕方をしていたが、最近の中国では日本以上にスマホのアプリなどが普及していてネット上の婚活サイトもたくさんあるため、このようなリアルなお見合い広場は少なくなってきたのではないか、と私は思っていた。だから、こうしてまだ続いていることに私はちょっと興奮し、覆面取材を思いついた。

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