また、落ちたことがわからないと次に進めないので、困っているという声も多い。
「合否結果のサイレントはやめてほしい。今か今かと待つのは心臓に悪い。ダメならダメでさっさと言ってもらえると次に進める」(甲南大学、文系)。さらに、「選考の合否にかかわらず連絡をくれないと困る。合否の結果を伝えるまでが面接だと思う。サイレントお祈りはその企業の印象を悪くするだけ。落とすなら落とすで、早く連絡をくれれば学生はすぐに切り替えできる。合否の連絡はマスト、できれば早くくれと言いたい」(横浜国立大学、理系)と怒りをあらわにする学生もいる。
なかには「学生にもう少し人権をください。せめてお祈りメールは出してほしい」(一橋大学、文系)というように、人権無視ではないかという切実な意見もあった。
また、不合格者に対してサイレントするなら、その旨を事前に伝えて欲しいという学生いた。「サイレントはやめてほしい。せめて合格者だけに通知する旨を就活生に伝えてほしい」(信州大学、文系)。合格者のみに連絡する場合でもその旨を書面や面談時に告知するものだが、それすらしていない企業もあるようだ。
連絡するといったのに連絡しない企業
そうしたことから企業に対して不信感を募らせる学生も多い。「報告連絡相談ができない社会人は要りません、と言っておきながら、そちらができていないぞ」(一橋大学、文系)、「合格者のみに連絡なら事前にそう伝えるのが礼儀だと思う」(名古屋市立大学、文系)、「サイレントお祈りをやめてほしい。マナーがなってない」(三重大学、文系)。採用担当者は学生に「社会人としてのマナー、約束を守れ」と言っているのに、人事はマナーを守っていないと、怒りの声をあげている。
迷惑や誠意、失礼という言葉も散見された。「“通過者のみに連絡”は迷惑だし、誠意も感じられないのでやめてほしい」(法政大学、文系)、「サイレントはやめてほしい。何日までに連絡すると言っていたのにしてこないのは非常に失礼だと思った」(神戸市外国語大学、文系)。
人事には人事の事情があるが、学生に対するサイレントはほめられたものではない。就活は社会人として成長する、最初のステップ。そんな重要な段階で、そうしたふるまいを学生に見せるのは、大人の行動としてどうなのだろか。
なぜ企業がサイレントなのか、理解している学生も、中にはいる。「連絡する手間やお祈りしたら、もう選考復帰をさせられないという理由があるのはわかるが、サイレントはするべきではないと思う」(東京農工大学大学院、理系)。
この学生が書いている通り、サイレントにする理由のひとつは手間だ。大手企業のサイレント比率は高いが、応募者が多く、選考で落とす学生の数も膨大だから、お祈りメールでもかなりの手間になる。
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