就活「サイレントお祈り」は止めるべき慣習だ 大企業の4社に1社が不合格を通知しない現実

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選考復帰をさせられないは、手間より大きな理由だろう。企業は採用計画を立てて行動しており、採用予定数も事前に決めて、採用活動を展開している。採用活動の仕上げとして面接が位置づけられ、採用予定数に達するまで内定を出す。実際には内定辞退を見込むので、予定数よりも多い学生に内定を出している。

ところがその後、内定辞退が多くなり、採用予定数に達しないという事態もありうる。そこで、当落線上で採用に至らなかった学生を採用予備軍として確保するため、不合格通知を出さないのだ。企業の勝手な都合だが、サイレントにはそんな裏事情がある。

学生を放置する企業は品格を落とす

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さてサイレントされないためにはどうするか? まずは事前に対策を講じておくこと。面接時に「合否連絡をいつ頃もらえますか」という質問をして返事をもらうことだ。約束すると、サイレントしにくくなるはず。約束の日が過ぎても連絡がなくサイレントされたら、遠慮なく問い合わせをすればいい。社会人になれば、取引企業の担当者が、忘れっぽかったり多忙だったりして、いつまでたっても連絡をよこさないことはよくある。そんなときはこちらから連絡するのが鉄則だ。

「面接のとき、1週間後に連絡すると約束していただきましたが、まだ連絡をいただいていないのでメールさせていただきました」と書けばいいだろう。採用予備軍としての位置づけなら、「もう少し待ってほしい」と言われる。「残念ながら今回は縁がなかった」と言われれば、その企業のことは忘れて、次の就活に取り組もう。

企業の採用担当者も、サイレントはしないと決意すべきだ。確かに数千、数万の応募があれば、落ちる学生の数も膨大だから、メールといえど手間かかかる。また発送ミスが起こる可能性もある。といってサイレントしていいという理由にはならない。

面接会場に学生を招いておいて、落とした学生を放置する企業は、自らの品格を落としている。少子高齢化が進み、現在は労働力不足。新卒マーケットも売り手市場で、これからさらに人は少なくなる。選考も「選ぶ面接」から「選ばれる面接」へと変わる。品格のない企業の名前はソーシャルメディアで拡散する。そんな時代の今、サイレントお祈りをする企業は、学生からの評価を下げることになるだろう。

佃 光博 HR総研ライター

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つくだ みつひろ / Mitsuhiro Tsukuda

編集プロダクション ビー・イー・シー代表取締役。HR総研(ProFuture)ライター。早稲田大学文学部卒。新聞社、出版社勤務を経て、1981年文化放送ブレーンに入社。技術系採用メディア「ELAN」創刊、編集長。1984年同社退社。 多くの採用ツール、ホームページ製作を手がけ、とくに理系メディアを得意とする。

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