アウシュヴィッツで考える、麻生発言(中) 井の中の蛙が鳴く、”反日““自虐史観”の本質とは?

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反日とは何か?

私は、上のリンクにあるような排外的暴動を起こしている人たちが、日本社会のためになる“親日”とは到底思えない。また過去の歴史を直視し、その教訓を次世代に伝え、周辺国と信頼関係を強化しようという人が“反日”という記号でパブロフの犬的に批判される現状に一石を投じたい。

私は社会が過去の失策から学ぶための史実と教訓を奪い去り、下劣な言動で社会の品格を貶め国の恥を晒す彼らこそ、日本の社会的利益に反するという意味で、立派に“反日”だと思うのだ。

ネット上の麻生ナチス発言擁護論が、世論の大勢ではない

最後に付け加えるが、ネットによる世論調査では、橋下慰安婦発言や麻生ナチス発言を“問題なし”と擁護する人も多いが、これは日本社会全体の反応を体現しない。

たとえば私のコラムはキャリア相談モノ恋愛モノを書けば人気が出て100万に迫るアクセスがあるのだが、コメントやいいね、は極めて少なくネットで話題になることもほぼない。

しかしひとたびこのようなヘイトスピーチや右派政治家・評論家を批判するネタを書けば、私のコラムで検索すると、この歴史認識ネタばかりでネットの掲示板が埋め尽くされ、実は全体のアクセス数は数万と極端に少ないのに、ネットは私の批判で埋め尽くされるのだ。

よって、ネットなどで麻生ナチス発言への擁護論が多く見えてもこれは日本国民全体の声の分布とは大きく異なっており、特定のセグメントの人たちがこのトピックに限って、頑張って偏った大きな声を上げている、というのが現実であろう。

私としてはこの手のトピックはコラムで扱っても大して読まれるわけでも誉められるわけでもなく何も得することがないのだが、それでも終戦記念日の週の2,3本のコラムくらい、過去の教訓を未来に伝えるものにしていきたいと思う。明日の最終章では、8月15日の終戦記念日に安倍首相が語るべき内容について、読者の皆様と考えさせていただきたい。

ムーギー・キム 『最強の働き方』『一流の育て方』著者

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Moogwi Kim

慶應義塾大学総合政策学部卒業。INSEADにてMBA取得。大学卒業後、外資系金融機関の投資銀行部門にて、日本企業の上場および資金調達に従事。その後、大手コンサルティングファームにて企業の戦略立案を担当し、多くの国際的なコンサルティングプロジェクトに参画。2005年より外資系資産運用会社にてバイサイドアナリストとして株式調査業務を担当した後、香港に移住してプライベート・エクイティ・ファンドへの投資業務に転身。英語・中国語・韓国語・日本語を操る。著書に『世界中のエリートの働き方を1冊にまとめてみた』と『一流の育て方』(母親であるミセス・パンプキンとの共著)など。『最強の働き方』の感想は著者公式サイトまで。

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