新設・増床が続々 ブームの枠を超えたアウトレットモールの隆盛

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 4月、埼玉県にオープンした「三井アウトレットパーク入間」。三井不動産が運営するこちらの施設も、開業後1カ月で、売り上げは計画を3割も上回った。都内の百貨店や衣料品専門店が、天候不順による集客減に苦しんだ5月も、集客は上々だったという。

「オープン直後に来たけど、混んでいてゆっくり買い物できなかった。それでまた来たんです」。6月最後の週末、ある大学生のカップルは、都内から電車とバスを乗り継いでやってきた。二人で「ビームス」「ユナイテッドアローズ」など、人気セレクトショップのアウトレット店を巡り、夏物のワンピースやカットソーを購入した。買い物を終えた女性の感想は、「商品は安いけど、品ぞろえも雰囲気も、都内の店とあまり変わらない気がする」。

埼玉県内に住む二人連れの主婦は、「たち吉」で食器を購入した。「こういう食器は、もちろん百貨店で買うこともあるけれど、いいものがあればこっちのほうがお得だし、探すのも楽しい」と話す。

B級品やキズモノ、売れ残りというイメージがあったアウトレットだが、どうやら最近は消費者の受け取り方も様子が違うようだ。

正規店と同等の接客 テナントの意識も変化

三井不動産でアウトレットモールなどの運営を担当する商業施設運営事業部の三留秀成氏は、「この5年ほどで、アウトレットを出店するテナント側の意識も確実に変わったように感じる」と説明する。

まず、アウトレット店でも正規店と同等レベルの接客や内装、商品陳列を行うテナントが増えている。以前ならアウトレット店の店員は圧倒的にアルバイトが多かったが、最近は正規店の販売経験者が配属されることも多い。「ブランドロイヤルティの高い客も訪れるようになって、商品知識も正規店並みのレベルが求められる」(三留氏)からだ。

たとえば先ほどのカップルも、日ごろは池袋や渋谷など、都心のセレクトショップを訪れることも多いという。それと大差ない感覚で、アウトレットモールでも「普段から使っているあの店」として訪れるのだ。

ブランドショップ側でも、アウトレット店を新規顧客のエントリーの場として意識するようになっているという。

食器を買った主婦のように、高級ブランドであっても、正規店とアウトレットと両方訪れる客は多い。「そのため、店名にブランド名を冠して、アウトレットに訪れた客に百貨店の正規店を案内したりもしている。以前は、正規店の出店先に対しアウトレット店を後ろめたく感じるテナントが多かったが、最近はそれがなくなってきたようだ」と三留氏。

確かにテナント側も、アウトレットという業態を単なる在庫処分の場としてだけでなく、積極的に活用するようになっているようだ。

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