新設・増床が続々 ブームの枠を超えたアウトレットモールの隆盛

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 関東地方に梅雨明け宣言が出された直後の3連休。東北自動車道の佐野インターから数多くのクルマが「佐野プレミアム・アウトレット」の駐車場に吸い込まれていく。施設はカップルや家族連れで朝からにぎわい、7月15日にオープンしたばかりの増床部分の店を中心に、大勢の買い物客でごった返した。

そこから約80キロメートル北の那須塩原市。

7月17日、ここにもまた新たなアウトレットモール「那須ガーデンアウトレット」が開業した。連休中日は、計画を6割近く上回る約5万人の客が来場。施設全体が大勢の家族
連れでにぎわい、好調な滑り出しを切っている。

その一方で、明暗を分けたのが都心の百貨店。7月初めから行われていた夏物セールが一巡し、フロアは買い物客もまばら。アウトレット2施設のにぎわいとは実に対照的だ。

百貨店・専門店と明暗 右肩上がりで成長中

アウトレットモールとは、季越商品などの在庫品や、正規店には並ばないB級品などを低価格で販売する店を集めた複合商業施設。その数は全国に約30カ所、市場規模は約4000億円と、小売り全体の規模からすればほんの数%にすぎない。が、百貨店とショッピングセンターの売上高が今年4月以降3カ月連続で前年を下回るのに対し、アウトレットモールだけは、右肩上がりの成長を続けている。

今年は関東地方だけでも2施設が新規に開業したうえ、3施設が増床を実施。秋には仙台でも2カ所の新規開業を控えており、全国の売り場面積も急拡大が見込まれている。そして、こうしたオープンに合わせて、女性誌やテレビの情報番組もアウトレットモールでの買い物の楽しみ方を相次いで特集。施設周辺の大渋滞を伝える報道も目立つ。低迷が続く小売業界で唯一の好調業態として、アウトレットモールがここまで注目を集めているのはなぜか。


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