港区より足立区に出店したほうが儲かる理由 立地戦略の敵は現実とずれた「イメージ」だ
立地戦略においては、「人口が多い場所ほど有利」という大きな絶対的ルールがある一方で、路地の一本一本に至るまで、「どちらが儲かるか」という小さなルールも決まっています。立地を考える際には、この「鳥の目」と「虫の目」の両用が重要です。
「虫の目」のルールがどんなものかを知っていただくために、ここでは、ある交差点を例に挙げてクイズを出してみます。
どこがいちばん儲かる?
図をご覧ください。ロードサイド沿いに、AからFまで6つの場所を示しています。交差点を横に走る道の交通量は、西から東へ走る側が5000台(/半日)、縦に走る側は2000台です。
ここで問題です。もし、あなたがコンビニを出店するとしたら、A~Fの中のどこに出店するでしょうか? いちばん儲かりそうな立地を考えてみてください。
正解は、「B」です。拙著の帯では簡略化したクイズを載せていますが、答えは同じです。これはコンビニの立地、特にセブン-イレブンに顕著な立地なのですが、交差点に出店する場合、最も儲かるのはBの場所です。
まず交差点で交わる2本の道路については、交通量の多いほうを基準に考えます。自動車が半日で5000台走る道と2000台走る道では、5000台走る道のほうが基準になります。できるだけ人口が多いところに出店する考え方と同じで、少しでもお客様をつかむチャンスを増やすためには、交通量の多い道を基準に考えます。
基準にする道を選んだら、その道の「左側」に照準を絞ります。基本的に、日本では人も自動車も左側通行だからです。その時点で、もし道が西から東へ向かう一方通行なら、進行方向右側にあるC、Dの立地は候補から消えます。Uターンするのは面倒ですよね。
では、交通量の多い左側にある残りのA、B、E、Fはどこでもいいのかといえば、そうではありません。
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