ローソン総会、「スター経営者」の寂しい退場 株主の関心はもはや玉塚氏にはなかった

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ある株主は「サプライヤーである三菱商事と、バイヤーであるローソンでは利益相反が起きるのではないか」と指摘。竹増社長は「三菱商事の条件が他社より1円でも1グラムでも劣っていれば取引しない。商品を仕入れる際には、三菱商事を株主として見る必要はない」と強い口調で語った。

さらに、三菱商事が過半数の株式を取得したことで個人株主を軽視する恐れがあるという株主の意見に対しては、「約2万9000人の株主のうち、98%超が個人株主。ぜひ今後ともお力を貸していただき、セブン-イレブンに追いつけ追い越せで、その先の景色を皆さんと見たい」(竹増社長)と述べた。

玉塚氏に対する質問はほとんどなかった

ローソンの今後の動向について質問が集中する中、この6年半、ローソンの経営に携わってきた玉塚氏への質問はほとんど出なかった。玉塚氏への質問が出たのは、4月中旬に発売された『週刊新潮』で玉塚氏が架空融資事件に巻き込まれたと報じられた点について、ある男性株主が玉塚氏への発言を求めたぐらいだ。

だが、玉塚氏がこの質問に答えることはなく、竹増社長が「(報じられた)内容は把握している。記事にもあったが、広報部を通じて、新潮社にお送りした要旨が本件に関するすべてだ。その他については、この場でお答えできない」と回答するにとどまった。

質疑応答では、もはや株主の関心は玉塚氏にはなかった。三菱商事とのシナジー、そしてセブンへの対抗策をどう打ち出していくのか。株主が求めているのは、誰が見ても納得できる明確な実績なのだろう。

又吉 龍吾 東洋経済 記者

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またよし りゅうご / Ryugo Matayoshi

2011年4月に東洋経済新報社入社。これまで小売り(主にコンビニ)、外食、自動車などの業界を担当。現在は統括編集部で企業記事の編集に従事する傍ら、外食業界(主に回転ずし)を担当。趣味はスポーツ観戦(野球、プロレス、ボートレース)と将棋。

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