ローソン玉塚氏、「超スピード転職」の内幕 創業者と出会って半年で社長就任が決まった
4月に電撃退任を発表したローソンの玉塚元一会長が再就職先に選んだのは畑違いのIT企業。しかも、同社の創業者と出会って約半年の「超スピード転職」だった。
ここ数年、記者会見では青いローソンカラーのネクタイを着用してきた玉塚氏。だが、5月15日に六本木ヒルズで行われた会見では、赤と白を基調としたネクタイを締めて現れた。玉塚氏が社長に就任するハーツユナイテッドグループ(HUG)のカラーだ。
HUGは5月15日に玉塚氏を代表取締役社長CEOとし、現在同職を務める宮澤栄一氏を取締役会長とする人事を発表した。6月27日の株主総会を経て正式に就任する。宮澤社長は玉塚氏の印象について「(半年前に)出会った瞬間、衝撃だった。これまで色々な人を見てきたが玉塚さんは違っていた。パワーと明るさと、タックルされそうな勢いがあった(笑)」と絶賛した。
ゲームの「デバック会社」に就職
玉塚氏は1985年に旭硝子に入社後、複数の企業を渡り歩き、2002年にユニクロを展開するファーストリテイリングの社長に就任。2005年に辞任した後は再生支援会社リヴァンプを設立し、ロッテリアの再建などを行った。
2010年からはローソンの社長だった新浪剛史氏(現サントリーホールディングス社長)の後継者としてローソンに入社。2014年に社長、2016年には会長に就任したが、2017年の5月末に会長を退任することが決まっている。
その玉塚氏が選んだHUGはどんな企業なのか。同社はゲームのデバッグ事業(プログラム上のミスを発見し、顧客に報告する業務のこと)を柱とする会社だ。「登録テスター」と呼ばれ、実際にテストを行う人員を約8000人も抱えている。前身となるデジタルハーツが創業されたのは2001年で、2017年3月期の売上高は154億円、営業利益は19億円。国内では独自のポジションを築いている。
HUGをこれまで率いてきたのが、創業者の宮澤社長だ。宮澤社長は高校卒業後、父親の経営するパチンコ店で働いたが倒産。その後アルバイト先として自らデバッグをしていたときの仲間とともにデジタルハーツを起業。ゲーム業界ではデバック作業が自社で行われることが多かったが、それをアウトソーシングする流れに乗り、ここまで企業を成長させてきた。
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