ローソン総会、「スター経営者」の寂しい退場 株主の関心はもはや玉塚氏にはなかった

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玉塚氏がローソンに来てからの6年半。商品発注の一部を自動化するシステムの導入や、健康関連商品の積極投入など、さまざまな改革を実行してきた。しかし結果的に、王者セブン・イレブン-ジャパンとの差は縮まらなかった。ローソンの日販(1日当たり1店売上高)はこの6年間、54万円前後と横ばいが続いた。

玉塚氏自身、4月に行った東洋経済のインタビューで、「日販はあと3万~5万円は上げられてもよかった。生活支援強化を目的に、さまざまな取り組みを行ってきたが、特に夕方・夜間での差を埋めることができなかった」と語っていた。

”セブンとの差”に関する質問が相次ぐ

4月12日、決算発表後に行われた玉塚氏の退任会見。左が玉塚氏、右が竹増社長(撮影:大澤誠)

こうしたコメントに象徴されるように、“セブンとの差”については株主からの質問が相次いだ。ある株主は「昨年、ローソンは自前の銀行設立に向け準備会社を作ったが、10年以上も先駆ているセブン銀行に勝ち目があるのか」と経営陣を問いただした。

この質問に対して、竹増社長は「後発ならではのメリットはある」と述べたうえで、「フィンテック(金融とテクノロジーの組み合わせ)という言葉も出てきて、金融業界では技術革新が起きている。効率性、利便性を提供し、圧倒的な差別化をしていきたい」と回答した。

別の株主からは「日販で日本一を目指すという目標をはっきりと掲げていただきたい」と提案が出る一幕も。竹増社長は「4月に中期経営ビジョンを発表して、2021年度に日販60万円以上という目標を掲げた。大事にしたいのは店舗数ではなく日販。まずは次の大台である60万円を目指してやっていきたい」とだけ述べ、”セブン超え”の決意を表明するまでには至らなかった。

今年2月に完了した三菱商事よるTOB(株式公開買い付け)に対する質問もあった。このTOBでローソンは三菱商事の子会社となった。

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