セブンドリーマーズが追加資金調達で描く道 洗濯物折りたたみ「ランドロイド」の次は?
ただし、商品開発の手法にまったく関連性がないかといえばそうではない。「計れないもの」をつくることはできないので、新しいものをつくるためには測定器が必要になりますが、我々は当社にしかない、独自の測定器を作ることにこだわっており、それは3つの商品に共通しています。
ランドロイドの内部は測定器そのものですし、カーボンゴルフシャフトも、スイングについて3センチごとに、シャフトのしなりとねじれを測定できる。ナステントも鼻に入れるシンプルなチューブですが、喉の奥の構造を完全に再現する機械と、そこに何を入れたら人間が血中酸素濃度を担保できるだけの風量を確保できるかを計算する測定器を開発しています。
資金力がある企業は、汎用の測定器を買って研究しがちですが、そうするとアウトプットはどうしてもその測定器の性能に縛られて似てきてしまうと考えています。しかし、私たちは測定器の開発から自分たちでやっているので、他社は追いつけません。
「女性、子ども、老人」の時代が来る
――ランドロイドのニーズはどのように確信したのでしょうか。
当初、「3つの基準をクリアできるアイデアが、これほどまでにないのか」と愕然としました。そこで、その理由を考えてみました。当社でも大手企業でも、まだまだ技術系の会社は男性中心。事業企画についても男性ばかりが考えており、その結果として同じようなものが出てきてしまうことに気づきました。
今後は、女性、子ども、老人の時代だなと感じて、そこにこそ被らないニーズが潜んでいると考えました。家に帰って、妻に「家の中で使うもので、どんな製品が欲しい?」と聞いてみたら、「洗濯物自動折りたたみ機に決まってるじゃない」と言われ、調べたら奇跡的に誰もやってないということが分かった。3つの基準を最初にクリアしたのが、結果的にこのランドロイドになりました。
――「世の中にないのは、ニーズがないからだ」と考えることもできる。保守的な考え方を取ればそこで躊躇しますから、逆転の発想ですね。
ランドロイドについても、まさにそうでした。社内で、比較的新しいことやりたがっている若者を集めて、「素晴らしいテーマがある。まだ世界で誰もやってないんだよ!」と言うと、「誰もやってないことは、無理ということでは?」と非常に反応がネガティブで、最初は話が噛み合いませんでした。
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