JR北海道の経営危機を救う「5つの解決策」

危機の原因は不祥事や災害でなく「構造的」だ

経営危機に直面するJR北海道。冬期の環境も厳しい中で苦戦が続く(撮影:尾形文繁)

JR北海道については、2011年5月の石勝線ディーゼル特急脱線炎上事故を契機に車両の整備不良問題、そして保線作業の不徹底など多くの問題が噴出した。社長経験者2名の自殺というニュースも重なる中で、その経営再建は社会問題となっている。

だが、それ以降の6年間に事態は決して好転していない。それどころか、2016年には北海道に4つの台風が上陸するという観測史上例のない事態により、全道で大きな被害が出た。特に石北本線は1カ月、石勝線と根室本線は4カ月にわたって不通となり、修復の費用と不通期間における減収などJR北海道には大きな負荷となった。

経営危機は「最近の問題」ではない

この台風被害に前後する形で、JR北海道は経営見通しに関する「悲鳴」を上げ始めた。その発端は、2016年7月29日に発表された「『持続可能な交通体系のあり方』について」というレポートであり、更に同年11月18日には「維持困難路線」が公表されるに至った。

その際に、同社の島田修社長からは「(JR北海道の赤字は)バケツに穴の空いた状態」という発言があった。その後、2017年の年明け以降は、JR北海道という企業の存続について危ぶむ声も増える中で、更に切迫感のある報道が続いている。

まず確認しておかねばならないのは、このJR北海道の経営危機は2011年に明るみに出た不祥事や2016年の台風被害の結果ではないということだ。もちろん、不祥事と台風がJR北海道の経営には大きなダメージを与えたのは事実だ。だが、こうした事象が発生しなければJR北海道が危機に陥らなかったということにはならない。危機の本質はもっと別のところにあり、深刻化するのは時間の問題だったということだ。

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