JR北海道、資金不足危機からの「大胆再建案」

識者に聞く、「鉄道維持」に向けた方策とは?

JR札幌駅。北海道の鉄道のあり方に関する議論が活発化している(撮影:梅谷秀司)

JR北海道は安全対策に巨額の投資が必要となり、このままだと2020年度末までに資金ショートに陥りかねないところまで追い込まれている。そこで利用者の少ない路線についてはバス転換、あるいは維持するにしてもインフラを地元に保有してもらう上下分離方式や運賃の値上げなど、地元にも応分の負担をしてもらうといった仕組みを道や沿線自治体に提案している。

北海道はこれまでJR北海道に自助努力による経営再建を促してきたが、態度を軟化させた。道が立ち上げたワーキングチームが作成した報告書では、「JR北海道の自助努力では持続可能な経営構造の確立は困難」と理解を示している。ただこの報告書では、利用者が非常に少ない路線についてバスへの転換を示唆してもいる。

麻生財務相はJR東との合併を提案

もっとも、鉄道を維持すべきという声も無視できない。その場合に問題となるのが維持コストをどうするかだ。JR北海道がその費用を捻出できないのであれば、どこかが肩代わりしなければいけない。麻生太郎財務相は、「1つのアイデア」として、JR東日本とJR北海道の合併に言及。黒字企業のJR東日本に資金を負担させようという狙いがうかがえる。

識者の間でもさまざまな意見が出ている。以下、3人の識者のアイデアを紹介する。

まず、『鉄道復権』『地域再生の戦略』などの著書がある宇都宮浄人・関西大学経済学部教授は、線路や信号などのインフラ部分については国や自治体が資金面で支え、JR北海道は車両の運行管理に特化する上下分離方式の導入を提唱している。

国や道によるインフラ維持のための資金をどうやって捻出するか。この点について、宇都宮氏は「自動車に頼りすぎることの社会的費用と鉄道がもたらす社会的便益を見極めたうえで、現在、道路整備に充てられている巨額予算の一部を鉄道に回すようにすればよい」と言う。

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