セブンドリーマーズが追加資金調達で描く道 洗濯物折りたたみ「ランドロイド」の次は?

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——先々は介護福祉施設・病院向けの業務用ランドロイドを投入する予定になっていますが、法人向けを中心に展開する計画ですか。

事業選定基準の2つ目が「人々の生活を豊かにする」なので、基本的にB to Cしか見ていません。しかし、出資していただいたダイワハウスの樋口武男会長は、社会のためになることを大変重視されていました。「ランドロイドを病院と福祉施設に届けて欲しい」との要望を受けたので、それについては「やります」と。

ただ「B to Cで行く」という原則はブレません。目標は人々をランドリー行為から解放すること。そのためには、まだまだ開発テーマはたくさんあります。今は洗濯した洗濯物をランドロイドに入れ直す必要がありますが、次は汚れた洗濯物を入れたら、たたまれた状態でポンと綺麗なものが出て来るようにしたい。

まだ、その先もある。ランドロイドから部屋のクローゼットに運ぶところまで解決しないと、ランドリー行為から完全に解放することはできない。家の壁の中に洗濯物をポンと放りこんだら、洗濯して乾燥し、たたんで仕分けしたものが、各部屋のクローゼットまで運ばれるという形が、最終形になります。

3度目の資金調達の意図は?

――資金調達については、これまでも2015年にシリーズAで15.15億円、2016年11月にシリーズBで60億円と、大型の調達を進めてきました。6月末にはさらなる資金調達を予定しているようですが。

具体的な額や引受先については、まだお話できないのですが、シリーズBの延長という形での調達の準備を進めているところです。シリーズBである前回は、ナステントのマーケティング、ランドロイドの開発に投資しましたが、今回は3事業の海外マーケティング費用に投下していきます。グローバル展開を加速させていくことに大きな強みがあるパートナーを迎えることになっています。

――資金調達後も、既存の3つの商品に注力することは変わらない?

株主には、当面3つにフォーカスして欲しいと言われていますが、社内ではまだ商品化されていない2つのテーマを、着々と進めています。4つ目のものは特許も申請済みで、1年後には公表できるでしょう。事業領域はヘルスケアで、ナステントの時よりも大きな市場になるのではないかと考えています。5つ目は私の頭の中でぐるぐると構想を固めている段階。結構ぶっ飛んだテーマなので、こちらは時間がかかる。

――5つ目の新製品はランドロイドを超えるイノベーションになりますか。

ランドロイドのように、構想に12年もかけられないので、さすがにそこを超えるのはハードルが高いと思います。ランドロイドについてはこれまでに既存のものがなかったということで、自分の中では近年にないイノベーションと考えています。商品の中身については、徐々に明らかにしているのですが、最終的には2017年の9月にその全貌を公開する予定です。

関田 真也 東洋経済オンライン編集部

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せきた しんや / Shinya Sekita

慶應義塾大学法学部法律学科卒、一橋大学法科大学院修了。2015年より東洋経済オンライン編集部。2018年弁護士登録(東京弁護士会)

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