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〈書評〉『誰も知らない生命 アセンブリ理論が明かす生命とその起源』『ひのえうま 江戸から令和の迷信と日本社会』『京都の歩き方』

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ブックレビュー『今週の3冊』

 

[Book Review 今週のラインナップ]

・『誰も知らない生命 アセンブリ理論が明かす生命とその起源』

・『ひのえうま 江戸から令和の迷信と日本社会』

・『京都の歩き方 歴史小説家50の視点』

『誰も知らない生命 アセンブリ理論が明かす生命とその起源』サラ・イマリ・ウォーカー 著
『誰も知らない生命 アセンブリ理論が明かす生命とその起源』サラ・イマリ・ウォーカー 著/水谷 淳 訳(書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします)

評者・科学ジャーナリスト 須田桃子

「じゃあみんなどこにいるっていうんだい?」

物理学者のエンリコ・フェルミは1950年の夏、友人たちとの雑談でそう口にしたという。宇宙のどこかに知的生命体が存在するなら、なぜ彼らはコンタクトしてこないのか──。本書にも登場する、有名な「フェルミのパラドックス」だ。

実際、地球外での探査は長年行われてきたが、私たちはごく原始的な生物さえ発見したことはない。この現状を前に、著者はさらに厄介な事実を突きつける。「そもそも私たちは、まだ『生命とは何か』を本当の意味で理解していないではないか」と。

「生命とは何か」に答える 物理学と化学から生まれた新理論

東洋経済オンラインの愛読者に読んでほしい本を一気に紹介。【土曜日更新】

例えば地球上のあらゆる生命は炭素を骨格とする有機物でできているが、ほかの惑星の生命も同じとは限らない。無機物で構成され、まったく別の仕組みで代謝や複製をしているかもしれないのだ。生命の本質を説明する統一的な理論を持たない限り、「見ても分からない」であろうと著者は指摘する。

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