中華スマホ「オッポとビーボ」が爆走する秘密

中国国内の激しい競争が、メーカーを鍛えた

ではなぜ中国が、これほど多くのスマホメーカーが存在する「スマホ大国」となったのだろうか。その源流にあるのは「山寨機(シャンジャイジ)」ではないかと筆者は見る。

山寨機とは、2000年代後半ごろに中国で急増したもので、メーカーが政府の認可を得ず、勝手に開発・販売した携帯電話のこと。正規メーカーの製品よりも非常に安価で販売されていたため中国国内で人気があったが、当時高いシェアを誇っていたフィンランド・ノキアや米モトローラの端末を模倣したものも多く、品質面でも粗悪なものが少なくなかった。

山寨機の開発を支えたのが、メディアテック製のチップセットだった。このチップセットを用いれば、パソコンのようにパーツを組み合わせるだけで携帯電話を開発できたため、技術力をそれほど持ち合わせていない企業も開発できるようになり、山寨機メーカーが急増する要因となった。

多くの中国メーカーは新興国に活路

そしてこのメディアテックのチップセットは、新興のメーカーに対しても参入機会を与える要因となったのである。たとえばオッポは、元々DVDプレーヤーやMP3プレーヤーなどのAV機器を主に手掛けてきた企業だが、それらの競争が厳しくなったことを受けて、2008年にメディアテックのチップセットを活用し携帯電話市場へ参入。MP3プレーヤーで培った音楽機能を搭載するなどして若い世代から人気を獲得し、携帯電話メーカーへと転身することに成功した。

スマホの時代に入ると、米クアルコムなどほかの半導体メーカーもメディアテックと同様、安価に端末開発ができるチップセットを投入したことから、より多くの新興メーカーがスマホ市場への参入を果たすこととなった。さらにスマホが新興国へと広がるにつれて端末の低価格化が求められるようになったことから、コスト競争力に強みを持つ中国メーカーが、世界的に存在感を発揮するようになったのだ。

実際、ファーウェイのように積極的に先進国に進出する中国メーカーはそれほど多くなく、オッポやビーボなど多くの中国メーカーは強みを発揮しやすい新興国に活路を見いだし、成長を遂げている。

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