中華スマホ「オッポとビーボ」が爆走する秘密 中国国内の激しい競争が、メーカーを鍛えた

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新興国での市場拡大やスマホ自体の低コスト化傾向などから、今後も中国のスマホメーカーの存在感は高まっていくと考えられる。一方で、中国国内の人気メーカーの入れ替わりも非常に激しく、オッポやビーボが今後も人気を保てるかはわからない。

以前は中国のアップルともいわれたシャオミだが、最近の戦略は迷走ぎみだ(写真:Jon Russell)

競争の激しさを象徴しているのが、一時スマホ市場で劇的な成長を遂げ、大きな注目を集めたシャオミの人気低下だ。シャオミは2010年設立のベンチャーながら、クアルコム製の最新CPUを採用するなど高い性能を持つモデルを、大量生産やオンライン販売を主体とすることなどで安価な料金で提供し、絶大な人気を博した。

だがスマホ自体の性能が向上し、ミドル・ローエンドモデルでもある程度満足のいく性能を実現できるようになった。それに伴いユーザーの関心も、カメラや急速充電など基本性能以外の部分に移っていった。そうした変化をうまくくみ取ることができず、人気が急低下してしまったのだ。

激しい競争環境が、メーカーの力を高める

シャオミは最近、パソコンやテレビ、空気清浄機や炊飯器まで手掛けるようになっている。だが主力のスマホ事業が落ち込む中で急速に多角化を進めていることから、戦略が迷走しているようにも感じられる。

大容量バッテリーの搭載などで近年人気を拡大しつつあるジオニー。中国だけでなく、インドなどの新興国などに向けても販売を強化している(著者撮影)

一方で、最近では大容量バッテリーなど特徴的な機能を打ち出すジオニー(Gionee)や、セルフィー機能を前面に押し出し女性向けを重視したメイズ(Meizu)などが人気となっている。中国内でのメーカーの動向は、刻々と変化しているのだ。

高い世界シェアを持つメーカーですら継続した人気を獲得できるかわからないほど、中国のスマホ市場はつねに大きく変動している。だがその激しい競争環境こそが、中国メーカー全体の競争力を高める要因となっていることも、また確かだといえるのではないだろうか。

佐野 正弘 モバイルジャーナリスト

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さの まさひろ / Masahiro Sano

福島県出身、東北工業大学卒。エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手がけた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。現在では業界動向からカルチャーに至るまで、携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手がける

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