国立社会保障・人口問題研究所の予想では、2050年には、女性の4人に1人は98歳まで、男性の4人に1人は93歳まで生きるとされています。
また、総務省の家計調査によると、60歳以上で、2人以上の無職世帯の消費支出は、現役時代である50歳代の支出の約7割ということです。「定年後の消費支出は、現役時代の半分くらいあれば十分では?」などと楽観視してはいけません。
しかし、今の現役世代の方は、年金受給世代よりも公的年金の条件が悪いかもしれませんが、老後までに問題に対処できる時間はあります。やみくもに不安がる必要はありません。今から準備をすればよいのです。
おカネの問題は「3つのステップ」で解決する
いちばんよくないのは、不安だからといって、勧められるままに個人年金保険や毎月分配型の投資信託を買うことです。商品を選ぶのはいちばん最後です。人生にあってのおカネの問題は、次の3つのステップで解決します。
ステップ2 実際にその額を貯める
ステップ3 貯蓄の途中で貯まったおカネを運用する
詳しくは、拙著『人生にお金はいくら必要か』(山崎元・岩城みずほ共著 東洋経済新報社)をお読みいただければと思いますが、まずは、ステップ1の「必要貯蓄額」の計算をしましょう。どんな計算をすればいいのでしょうか。
月々のお給料の中から「貯蓄」をするということは、今のおカネを未来に移動させるということです。人間は、目先の欲求に弱い生き物です。「欲しいものを手に入れるという目先の欲望よりも、自分の未来のために貯めることを優先すべきなのだ」と考えておけば、バランス上ちょうどよいくらいでしょう。いずれにしても、大事なことは、当面の所得の中で、消費と貯蓄のバランスを考えることです。
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