横浜生まれスリーエフ、「単独店消滅」の黄昏

38年の歴史に幕、ローソンとの共同店舗に

大手チェーンとの格差は業績にも響いた。スリーエフは2014年度に3.5億円の営業赤字を計上。翌2015年度は8.8億円の赤字、そして直近の2016年度には16.9億円の赤字に陥るなど、年々赤字幅は拡大していった。2015年度末の決算短信からは、企業としての事業継続に黄信号が灯ったことを意味する「継続企業の前提に関する重要事象」が記載されるなど、同社の苦境はより鮮明となった。

その中で救いの手を差し伸べたのがローソンだった。もともとスリーエフは、商品の共同開発実績があるファミリーマートの傘下入りが業界内で有力視されていた。が、ローソンと手を組んだのは、スリーエフが主張する経営の独立性と看板を維持できるという側面が大きかった。

単独ブランドでの業績回復は困難だった

両者が提携した際の柱は大きく2つあった。1つは商品の共同開発や共同仕入れによって、スリーエフブランドの店舗の業績改善を図ること。もう1つが共同でのブランド店の展開だ。

「ローソン・スリーエフ」の店内には、スリーエフの商品も並んでいる。左側のケースの焼き鳥などはスリーエフの独自商品だ(記者撮影)

このうち後者については、昨年9月~11月にかけて千葉県のスリーエフ約90店を「ローソン・スリーエフ」へ転換。日販は転換前と比較すると12~15%上昇するなど一定の成果も出始めている。

ただ、この時点では「千葉以外の神奈川や東京の店舗については、ダブルブランド店にする方針ではなかった」(経営戦略室の長田智明次長)

千葉以外の店舗については提携のもう一つの柱である商品開発など共同の取り組みで、スリーエフブランドとしての回復を目指していた。ただ、長田次長は「2016年4月からローソンさんと提携して、さまざまな分野で一緒にできることをトライしてきたが、思った以上の効果が出ず、進捗スピードも上がらなかった」と振り返る。

前述のように、スリーエフと大手3社との日販の差はローソンとの提携後も一向に縮まっていない。最終的にスリーエフの単独ブランドでの業績回復は困難と判断し、全店をブランド転換するという決断に至ったというわけだ。

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