はたしてトランプ大統領は弾劾されるのか? 特別検察官任命までの流れを詳しく解説

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とすると、どんな理由でコミー前長官が解任されたのかという疑惑が浮かんでくる。トランプ大統領はコミー氏の下でFBIは混乱してきたと指摘し、コミー氏は「目立ちたがり屋(showboat)」で、「スタンドプレーをする人物(grandstander)」であると酷評した。だが、この発言を受け、マッケイブFBI長官代行は「トランプ大統領の発言は正しくない。FBIの職員の大多数はコミー氏と良好な関係を享受していたし、長官はFBI内で大きな支持を得ていた」と反論している。辞任に当たってコミー前長官は職員宛てに書簡を発表し、職員から惜しまれながら職場を去った。

さらにトランプ大統領はコミー前長官をおとしめる発言をしている。1つは、トランプ大統領は個人的な捜査対象になっていないとコミー前長官が3度語ったというもの、もう1つはコミー前長官が3月に自分の地位を維持するために会食の機会を求めてきたというものである。すなわちコミー前長官はその地位にとどまりたいがゆえに大統領に媚びを売ったと言いたかったのであろう。

これに対してコミー前長官のスタッフは、トランプ大統領はウソをついていると反論。嫌がるコミー氏を夕食に誘ったのはトランプ大統領であったという。さらに彼らは、トランプ大統領が会食の際に、個人的な忠誠(personal loyalty)を誓うよう、コミー氏に求めたことを明らかにした。この要求に対してコミー氏は、個人的な忠誠は誓わないが、正直(honesty)ではあると答えている。

トランプ大統領、録音の存在を自ら認める

コミー長官解任をきっかけに、民主党はかねて疑惑が取りざたされていたロシア政府の大統領選挙への干渉を調査する特別検察官の任命を主張した。共和党議員の中にも、解任には反対しないものの、タイミングが悪すぎるとの印象を漏らす議員がいた。

解任発表の翌朝、下院監視委員会のジェイソン・チェイフェッツ委員長(共和党)は、トランプ大統領によるコミー前長官解任の理由を調査することを司法省監察長官に要求している。下院司法委員会の17名の民主党委員はコミー前長官解任に関する公聴会の開催を要求し、司法委員長に宛てた書簡の中で「コミー氏解任の明確な説明が必要である。現在まで政府は何の理由も提示していない」と指摘している。

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