「痴漢」を疑われた時、何が最適な行動なのか 線路に立ち入り「逃走」するケースが相次ぐ

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線路への立ち入りは、鉄道営業法違反や威力業務妨害罪にあたる犯罪です。また民事上も、鉄道会社に対する損害賠償責任を負うことになります。線路以外であっても、その場から逃げると、結局、防犯カメラの映像、ICカードの履歴、遺留品などから割り出され、逮捕される危険があります。

なお、本当に被害にあった被害者や、その周りにいた人であれば、『犯人』をスマートフォンで撮影してください。このような場合、動画撮影は証拠保全の手段として適法です。『おめおめと逃げおおせる』と思わせないことが重要です。ただし、別の問題が生じるので、ネットで公開することはやめたほうがよいでしょう」

「被害者」の話だけで逮捕・起訴されるのはレアケース

では、やっていない痴漢行為の疑いをかけられたら、どう行動すべきか。

「痴漢行為は、強制わいせつ罪や都道府県迷惑防止条例違反にあたる犯罪です。

残念ながら、過去には『被害者』の話が鵜呑みにされて、えん罪であっても何週間も勾留されたり、無罪判決を勝ち取るまでに長期にわたって裁判で争ったりしたケースがありました。報道もされましたので、そのインパクトが大きく、そのことが『逃げる』気持ちを助長しているのではないかと思います。

しかし現在は、『被害者』の話だけで逮捕されたり、起訴されたりするのは、むしろレアケースです。捜査機関も、えん罪の可能性を相当慎重に判断するようになっています。ですので、決して逃げず、その場で疑いを晴らす努力をするべきです」

痴漢の疑いを晴らすためには、どのようなことをすればいいのだろうか。

「あなたを救うのは、『証拠』です。証拠は、時間が経つほど、また、現場から離れるほど得にくいものです。したがって、その場にとどまることが、証拠を集めるうえで重要なのです。

まず、その場で、痴漢をやっていないことを堂々と主張し、『目撃者』がいれば協力を求めましょう。たとえば、左手につり革、もう片手でスマートフォンを操作していたなどの状況について話をしてもらえれば、一気に疑いは晴れるでしょう。

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