「口ぐせが現実を変える」が科学的に正しい訳 「記憶をマネジメントする」ための2つのコツ

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たとえば、成功体験を自分に覚え込ませるために、小さくてもいいので成功につながる行動を起こしてみる。ほんの少しでも行動を起こすことができれば、その「行動をした」ことがプラスの記憶となって、また少し行動力が高まる……という好循環につながります。

また、「どうせ自分にはできない」「何をやってもムダ」というマイナス思考の口ぐせではなく、「とりあえずできるところからやってみよう」といった言葉を口ぐせにしてみるのも有効でしょう。先述の「プライミング効果」です。

記憶に働きかけることで自分の「性格」も変わる

以上のことをまとめてみると、こうなります。

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(1)自分の望むことについてポジティブな言葉で繰り返し願ってみる

(2)なりたいものについての「記憶」を分析し、自分に足りないものを補う

「そんなちょっとのことで……?」と思うかもしれませんが、人の違いはほんの少しの違いからスタートしているものです。この小さな記憶の差が、自分全体という大きなプログラムに影響していくのです。

ですから、「これは性格だから」「もともと運がないから」「能力のない人間だから」と諦める必要はありません。

小さなこと、できることから行動様式を変え、記憶を少しずつマネジメントしていくことで、もともとの性格だと思っていたものも徐々に変化していくことでしょう。

ただ、ひとつ注意すべきことがあります。それは、「私が人生の主人公だ。すべては私の責任だ」と頑張りすぎないということです。

ここまで解説してきたように、あなたは記憶に影響を与えることができ、記憶をマネジメントすることができます。とはいえ、記憶のすべてをコントロールすることはできませんし、あなた自身をあなたの思うままにコントロールできるわけでもありません。ですから、記憶の犠牲者となってひがんで生きることや、人生の責任者として自分の思考や感情、言動を一身に背負うことはありません。

自分を自分自身がすべてコントロールできないこと、記憶の影響の大きさを受け入れたうえで記憶の動きを観察しつつ、そこに影響を及ぼしていくこと。いってみれば、記憶とうまく付き合うことこそが、「記憶をマネジメントする」ということなのです。

(構成:山岸美夕紀)

宇都出 雅巳 トレスペクト教育研究所代表・学習コンサルタント

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うつで まさみ / Masami Utsude

速読×記憶術を活用した勉強法の専門家。トレスペクト教育研究所代表。1967年生まれ。東京大学経済学部卒。出版社、コンサルティング会社勤務後、ニューヨーク大学に留学(MBA)。外資系銀行を経て、2002年に独立。30年以上にわたり、速読・記憶術を試験勉強に活用しながら実践研究を続け、独自の勉強法を確立した。多くの受験生を司法試験、医学部受験という難関試験で合格に導きながら、自らもCFP、行政書士、宅建士、50代で公認会計士、システム監査技術者試験などに合格。現在は監査法人に勤務。著書に『速読勉強術』(PHP文庫)、『どんな人でも1番結果が出る勉強法 合格は「あたりまえ化」の法則』(TAC出版)など。

 

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