フジテレビ「新しい波24」が映す若手の閉塞感 ナイナイ輩出の番組復活に低迷の理由がある

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また、メンバーの所属事務所についてもバランスを配慮するのなら、同じ事務所内で競い合わせてもいいし、他事務所との対抗戦にしてもいいし、ノンジャンル枠も大量起用して「他ジャンルのタレントを芸人同然に育ててしまう」という方法もありでしょう。「新しい波24」には、岡村さんから「全然声が出てない」とダメ出しされる芸歴2年目や、本番でネタが飛んでしまうなど、素人感丸出しの芸人も出演しているだけに、あながち無理な話ではないはずです。

テレビ局に限らず、どんな会社も若手社員が育たなければ、仮に業績アップしても短期的なもので終わってしまうなど、継続的な成功は得られません。とりわけフジテレビが陥っているような低迷期では、若手社員が起爆剤にならなければ再浮上は困難でしょう。

しかし、現在の若手社員は、学生時代からネット検索やオンデマンド購入を重ねた結果、脳内のベースが“思考<情報”に。定型かつ主観的な人が多く、自由かつ客観的な発想が苦手といわれています。それだけに管理職としては、「若手社員との対話の中で自由かつ客観的な発想を引き出そう」という姿勢が必要。一喜一憂することを恐れ、定型や主観にはめたがる彼らに、思考のきっかけを辛抱強く繰り返し与え、鉱脈を探させるための声かけが求められています。

はたして現在のフジテレビ、そして、あなたの会社に、そんな管理職はいるでしょうか。

“8年周期”をギリギリ守った年末の放送

「新しい波24」が浮き彫りにしたフジテレビ低迷の理由、3つ目は「どうしても過去の成功にとらわれてしまう」こと。

前述したように「新しい波」シリーズは、スター芸人と看板番組を輩出するなどフジテレビの歴史上においても重要な成功体験でした。しかし、そのトーンは確実に下がっています。

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