コミーFBI長官「電撃解任」にウラはあるのか 「第2のウォーターゲート事件」との説も

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クリントン候補にしてみれば、FBIの再捜査によって大統領選に敗れ、「コミーにしてやられた」と恨み骨髄に入る。だが、一方のトランプ陣営をはじめとする共和党にとっては、「コミー、よくやった」ということになる。現にトランプ氏自身、コミー長官の仕事ぶりを褒めていた。

そういう背景もあって、トランプ大統領のコミー長官解任には、共和党から反発がある。それ以上に、民主党からはヒラリーの敵を解任してくれたという歓迎の弁はまったくなく、トランプ陣営とロシアとの癒着疑惑隠しという批判が強まるばかりだ。

ところが、解任勧告を受け取った2日後、涼しい顔をしたトランプ大統領はテレビインタビューでこう語っている。「コミー氏は目立ちたがり屋で、派手な振る舞いをしたがる。FBIは混乱状態にあった。勧告の有無にかかわらず、解任するつもりだった」と。バッサリと切り捨てたのだ。

「第2のウォーターゲート事件」の報道も

それにしても、政権発足後100日以上も経って、なぜ、突然の解任を断行することになったのか。

この突然の解任劇について、野党民主党や一部メディアの間では、トランプ大統領による司法妨害の疑いが高まったと見る意見も出ている。2016年の米大統領選でクリントン候補を追い落とすため、トランプ陣営とロシア政府との間で何らかのつながりがあったという癒着疑惑が取りざたされている。その疑惑をめぐるFBI捜査を、トランプ政権が妨害しようと仕組んだ解任劇ではないかというのだ。それは大統領弾劾の可能性をにらんだうえでの疑惑追及といえる。

かつて大統領選での盗聴疑惑をめぐって、特別捜査官を解任したリチャード・ニクソン元大統領が、辞任に追い込まれたウォーターゲート事件。その事件になぞらえて、今回は「第2のウォーターゲート事件」とか「ロシアゲート」と報じられている。今回、特別検察官を選任しないかぎり、この問題は解決しないという声が強まっている。

はたしてトランプ陣営とロシア政府との間で癒着があったのかどうか。この、大統領弾劾にまで発展しかねない疑惑について、FBIが捜査していることに対して、トランプ大統領が神経をとがらせていることは確かだ。

現に、トランプ氏は自らがFBIの調査対象になっているかどうかを、コミー長官に確認している。その確認は、コミー氏との夕食中に1度、電話で2度、計3度なされたが、いずれも「捜査対象ではない」という返事だった。

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