日経平均は3日ぶり反落、米株安や短期過熱感 一時151円安、「好決算銘柄」は素直に買われる
[東京 12日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は3日ぶりの反落。前日の米国株安や短期的な過熱感が重しとなり、節目の2万円を前に足踏み状態が続いた。現物指数が5月限日経225オプションの特別清算指数(SQ)の市場推計値を上抜けられない「幻のSQ」となり、当面上値の重い展開が続くとのアノマリー(合理的に説明できない経験則)も意識された。
TOPIXも3日ぶり反落。業種別では非鉄金属が下落率トップ。不動産、ガラス・土石と続いた。一方、上昇率トップとなったのは石油・石炭。サービス、小売が上位にランクインしている。
大引け後に大阪取引所が発表した5月の日経225オプションSQ値は1万9991円27銭。SQに絡んだ売買が膨らみ、東証1部売買代金は2兆9645億円と、今年2番目の大きさとなった。
騰落レシオ(東証1部、25日平均)は大引け時点で131%台まで上昇し、買われ過ぎを示す圏内に入っている。過熱感が広がる中、午前中は先物主導で売られ、日経平均は前日比で一時151円安まで軟化する場面があった。ただTOPIXがマイナス圏で午前の取引を終了したことで、日銀によるETF(上場投信)買いへの期待が膨らみ、後場はやや下げ幅を縮小した。
企業決算の発表が相次いだことから、個別物色も強まった。「好決算の銘柄は買われ、悪い内容の銘柄が売られる素直な反応となっている。極端すぎる動きもみえるが、全体的に今期業績は市場予想の範囲内にとどまる可能性が高く、決して悪い状況ではない」(東海東京調査センター・マーケットアナリストの仙石誠氏)との声も聞かれた。
個別銘柄では日産自動車<7201.T>がしっかり。同社は11日、2018年3月期の連結営業利益が前期比7.7%減の6850億円になる見通しを発表した。トムソン・ロイターが集計したアナリスト21人の予想平均7784億円を下回ったものの、年間配当予想を53円(前期は48円)に増額し、好感された。
半面、 日立造船<7004.T>が急落。同社が11日発表した18年3月期の連結業績予想では、営業利益が前年比16.4%減の125億円の見通しなった。2期連続の営業減益の見込みとなったことを嫌気した売りが出た。
東証1部騰落数は、値上がり734銘柄に対し、値下がりが1140銘柄、変わらずが141銘柄だった。
日経平均<.N225>
終値 19883.90 -77.65
寄り付き 19941.64
安値/高値 19809.91─19941.64
TOPIX<.TOPX>
終値 1580.71 -6.15
寄り付き 1585.16
安値/高値 1574.31─1585.16
東証出来高(万株) 224862
東証売買代金(億円) 29645.96
(長田善行)
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