圧勝しても未知数な仏マクロン政権の将来

多くの有権者にとって「消極的選択」だった

美辞麗句にちりばめられていた選挙中のマクロン氏の演説。それらははたして実現するのだろうか?(写真:Christian Hartmann/ロイター)

フランス史上最も若い大統領が生まれた

本記事は会員制国際情報サイト「Foresight(フォーサイト)」(新潮社)からの転載記事です。

2017年5月7日、フランスで行われた大統領選挙の第2回投票では、超党派「前進!」のエマニュエル・マクロン候補が66%を獲得して圧勝した。ヨーロッパ諸国と世界は、安堵の胸をなでおろした。

極右「国民戦線」(FN)のマリーヌ・ルペン候補が45%を超えるかもしれない、という予測もあった。そんな中、投票日4日前の最後のTV討論会で、ルペンは粗暴で中身のない議論を繰り返して相手を挑発するばかりで、視聴者の嫌気を買ってしまった。

とはいえ、2002年の大統領選で、社会党のジョスパン候補が支持者の動員に失敗し、思いがけずも父親のジャン・マリ・ルペンが第2回投票に残ったときの18%という得票率からすると、完敗であったとはいえ、2倍近く支持率を上げることには成功した。その意味で、極右勢力の伸長が著しいことに変わりはなかった。

マクロンは、開票速報を知らされてから2時間半後、ルーブル宮殿前の広場で勝利の演説を行った。数千人の支持者が集まる中、EUの公式賛歌であるベートーヴェンの「喜びの歌」をBGMに、ブリジット夫人の手を携えて現れ、

「私たちがやってきたこと、みんなが私たちに、そんなことは不可能だ、と言いました。しかし彼らの方がフランスを知らなかったのです(私は大統領になりました)」

と、不可能を可能にした自分たちの偉業を自画自賛した。

次ページ今回の選挙の主役は終始、ルペンだった
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