川端康成に学ぶ『"装い"サムライ道』 -グローバルの檜舞台で印象づける方法-

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服装は自己紹介のツール

この記事を書いているわたしは、英語が苦手です。しかし、「和」の知識が、さまざまなシチュエーションで外国の人とのコミュニケーションに役に立った経験をたくさんしております。

 学生時代から国際交流が好きだったのですが、怠慢なわたしは英語がまったく上達しません。しかし、国際交流の場に着物を着て、三味線を抱えていけば、英語が話せる日本人よりも多く話しかけてもらえるという経験を何度もしました。

国際交流の場で、洋服を着ていても目立ちません。しかし、和服を着ていれば、「ねぇ、これはなんていうの?何でできているの?どんな時に着るの?どうやって着るの?わたしも着たい。着れる?」たくさんのコミュニケーションを生み出します。こちらが表現できない英語は、英語ができる日本人に聞けばよいのです。

いくら”発信したいこと”があっても、英語が下手なことを負い目にしてしまっては注目を浴びるのがむずかしくなってしまいます。その時に着物がどれだけわたしを助けてくれたかわかりません。先の井口さんも英語が上手な方ではありません。しかし彼の英語のプレゼンは大変魅力的です!彼が以前手がけた、拡張現実感(AR)スマートフォン・アプリ「セカイカメラ」の構想発表のプレゼンを見ると、決して流暢ではない英語ではありますが、会場は爆笑と拍手喝采の渦。製品から未来をわくわくさせるプレゼンは見ていて気持ちがよいほどです。

残念ながらウィンザー城の様子は映像がどこにも上がっていませんので想像するしかありませんが、羽織袴の装いの井口さんが招待客に与えたインパクトは絶大であったと思われます。みなさん、これは美味しいツールだと思いませんか?

”装い”は、もの言わぬコミュニケーション手段です。「この服を着る民族は我々と違う発想をする」と思わせられれば、その場での日本人の存在意義は増すと考えられます。

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