シーメンスが描く、再生エネルギーの展望 「脱原発」の総合電機、キーマンに聞く

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――風力や太陽光発電は、ビジネスとして成立するのでしょうか。

ヴァインホルト氏 再生エネの比率については2012年の7%から、2030年には20%まで増えると予測している。この内訳は32%が太陽光、45%が陸上風力、9%を洋上風力が占めるとみている。再生エネにはそれぞれ特徴がある。すでにドイツの太陽光発電は成熟しており、助成金は必要ない。

一方で洋上風力は技術的にも課題があるので、助成金などのサポートが必要となってくる。発電の安定性が悪いという問題もあるが、ドイツでは専門機関から4日先までの天候予測データを購入できるようになった。たまに風向きが変わって予測が外れることもあるかもしれないが、そういう時は柔軟性の高いガス発電でカバーすればいい。

藤田氏 いつ発電できるかわからない再生可能エネルギーをカバーするには、高効率で柔軟性の高いガスが向いている。再生エネルギーが増えるほど天然ガスを用いた火力発電が増えてくる。理由は簡単で、風力で大規模発電所並みのファームが出て来ると、ピークとボトムの発電量の波が激しくなる。

2時間後に緊急発電しようと思うと、石炭火力や原発では無理。15分程度で発電できるガス火力との組み合わせが最適で、フレキシブルに運用することが可能になる。二酸化炭素(CO2)排出量でみても、石炭火力とLNG(液化天然ガス)とを比べるとLNGのほうが圧倒的に少ない。

地域ごとに電力系統つくれば、超大型発電所は不要

――再生エネの導入は先進国から進みそう?

藤田氏 途上国では電力系統(発電・変電・送配電のシステム全体)さえ持たない場合がある。たとえば昔の中国では電話網ができていなかったから、固定電話よりも携帯電話が急速に伸びた。マイクログリッド(小規模発電網)も考え方が近く、地域ごとに電力系統を作れば超大型の発電所はいらなくなる。建設コストはかかるけど、基本的に燃料は不要になり地域で電力をまかなえるようになる。砂漠の真ん中にマイクログリッドを作っても、燃料を運んでくる必要がないのもメリットだ。

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