シーメンスが描く、再生エネルギーの展望 「脱原発」の総合電機、キーマンに聞く

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ヴァインホルト氏 アフリカ北部では太陽光を導入すればいいし、すでにインドや南アフリカでも再生エネの導入が進んでいるところがある。すでに電力系統があるなら、風が強い地域には風力と太陽光で組み合わせると費用対効果もよくなるので、投資としてもプラスになると提案できる。

シーメンスには独自のシミュレーションプログラムがある。たとえば欧州をシミュレーターにかけると、ここは風力で、向こうは太陽光と使い分けたら費用対効果が上がることがわかってくる。社内にはネットワークコンサルティングという部隊もあり、大都市におけるデータ分析もシミュレ—ションしている。

縦割り組織では難しい

――従来型のビジネスとは考え方が変わってきている。

ヴァインホルト氏 シーメンスはグローバルなチームで進めているので、火力や風力、送配電のチームが集まって情報を共有し、横串を刺してインテグレーションしている。これからはデータ分析も大事になってくるので、ソフトウェアのエキスパートも交えながら画期的な技術開発を行っている。こうした開発は、縦割り組織では難しい。技術者も電力系統のみならず、統合的なシステムを学ぶ必要がある。

――開発体制も変えていますか。

ヴァインホルト氏 世界中に中央研究所がある。地域によって強い分野があるので、それをグローバルレベルに持ち込んで、ベストなものを持ち寄って開発している。

シーメンスでは「ピクチャー・オブ・ザ・フューチャー」というレポートを年2回発行しており、世界各国のエキスパートから情報を得ることで、将来30年、40年先の技術はどうなるのかを分析してまとめている。たとえば7年前、ピクチャー・オブ・ザ・フューチャーでは送配電について取り上げた。未来の電力系統は分散型へ向かうことをつかんだので、スマートグリッドに力を入れるようになった経緯がある。これが私たちのイノベーションのパイプラインとなっている。

前田 佳子 東洋経済 記者

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まえだ よしこ / Yoshiko Maeda

会社四季報センター記者

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