シーメンスが描く、再生エネルギーの展望

「脱原発」の総合電機、キーマンに聞く

世界的な総合電機大手のシーメンス。2011年9月に原子力発電事業から撤退すると発表し、周囲を驚かせた。その後、再生可能エネルギー事業への転換を表明した。
シーメンスの日本法人シーメンス・ジャパンは8月2日、2030年における国内の電源ミックスのシナリオを発表した。2011年に0%だった再生エネルギー(水力除く)の割合を、30年に25%まで引き上げる。このうち14%が風力、11%が太陽光になるという見通しだ。
だが現実に目を向けると、実現へのハードルは高そうだ。太陽光や風力は天候によって発電量が左右されるため、信頼性に乏しい。国の「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」が象徴するように、助成金抜きでは成り立たないビジネス、との指摘もある。しかし独シーメンスのエナジーセクター最高技術責任者(CTO)のミヒャエル・ヴァインホルト氏は、「すでにドイツでは、日によっては太陽光と風力で電力の40%以上を再生エネでまかなわれている」と指摘する。
シーメンス・ジャパンのエナジーセクター代表の藤田研一専務は「世界シェア7割を占める当社の洋上風力を、日本でも広げたい」と意欲的だ。日本では福島沖などで実証試験をスタートしており、三菱重工業や日立製作所などが参画している。
シーメンスは、はたして今後のエネルギー需要をどのように見通して開発を進めているのだろうか。ヴァインホルトCTO(=下写真=)と藤田専務に話を聞いた。

原発、ドイツ以外は一定程度残る

――撤退した原発事業について、今後の世界の動向をどう見ていますか。

ヴァインホルト氏 世界の発電容量のうち原子力は2012年に6%となっているが、2030年も5%と、さほど変わらないと予測している。ドイツは撤退を選んだが、スウェーデンやフィンランド、韓国や日本、中国、米国など各国は原発を選び続けており、一定程度は残ると思う。

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