「マセラティ」長距離ドライブでわかった実力 「クアトロポルテ」の持つドイツ系にない個性
京都在住のモータージャーナリスト・西川淳が、注目のクルマを東京ー京都間のロング・ツーリングの試練にかける「GTドライブテスト」連載。第2回はイタリア生まれのラグジュアリー・サルーン、マセラティ クアトロポルテ。
そうだ、マセラティで京都行こう
メルセデス・ベンツ SクラスやBMW 7シリーズ、アウディ A8あたりのドイツ製大型リムジーネを駆って長距離ドライブを試してみたところで、道中至極快適であろうことは、もう乗る前から分かっている。いずれも大型サルーンの鑑というべきモデルで、その高性能ぶりを想像することは読者の皆さんにとってもさほど難しいことじゃないはず。
それに人気だってある。良い意味でも悪い意味でも、定番だ。ジャーマン・プレミアムブランドに特別な信仰のある方を除けば、せっかく高価なラグジュアリー・サルーンに乗るというのに、街で頻繁に見かけるモデルじゃつまらない、と思う人がいたって全然おかしくない。
そんな向きへのオススメ・オルタナティヴとしては、アメリカのキャデラックや英国ジャガーの最上級サルーン、もしくはスポーツブランドのポルシェやアストンマーティンの4ドアモデルあたりを挙げることになるだろうか。でも、もうひとつ、忘れてはいけないブランドがあった。
イタリアのマセラティだ。
ブランド名の“響き”としては、完璧じゃないだろうか?