ベンツ「Eクラス」が示す、少し先のクルマ 新型クーペ&カブリオレも登場、最先端技術が満載

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これらの安全・快適装備は、まさに将来、実現するかもしれない「自動運転」を先駆けており、人や車とぶつからない、事故に遭わないようにする工夫が詰め込まれている。一般市民にはなかなか手が届かない超高級車とはいえ、市販車に搭載が始まったということは、将来的にもっと一般的に広がってくる可能性もある。

というのも、超高級車や高性能スポーツカーなどに搭載されている先進技術・装備にかかる高いコストも、その後の量産効果や技術の進化などによって下がっていき、必要に応じて標準装備化やオプション設定されていくからだ。たとえば、今ではどんな車種にもほぼ標準で搭載されているエアバッグやABS(アンチロックブレーキシステム)、一般的となったカーナビゲーションなども、最初は高級車のオプション設定が始まりだった。

新型「Eクラス」の先進装備には、メルセデス・ベンツという自動車メーカーだけでなく、各種の部材メーカーがかかわっているはずであり、それらのコストが下がって、将来的に他の自動車メーカーの車種へと水平展開されていく可能性は十分にある。

「超高級車は富裕層の乗り物」には違いない。だが、時間軸を長く取れば、実は一般市民がそう遠くない未来に、「自分の乗り物」で同じ最先端技術を味わえるようになるかもしれないというのが、自動車の面白いところである。

武政 秀明
たけまさ ひであき / Hideaki Takemasa

1998年関西大学総合情報学部卒。国産大手自動車系ディーラーのセールスマン、新聞記者を経て、2005年東洋経済新報社に入社。2010年4月から東洋経済オンライン編集部。東洋経済オンライン副編集長を経て、2018年12月から東洋経済オンライン編集長。2020年5月、過去最高となる月間3億0457万PVを記録。2020年10月から2023年3月まで東洋経済オンライン編集部長。趣味はランニング。フルマラソンのベストタイムは2時間49分11秒(2012年勝田全国マラソン)。

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