「とりあえず方式」が勉強しない子に響くワケ 大人でも大苦戦「気乗りしない」の解決法

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このように、とりあえず準備方式だけでも効果がありますが、2つ目の方法としてさらにもう1歩ゴールに近づいておく工夫があります。それは「とりあえず1問方式」です。

たとえば、子どもに次のように言うのです。「算数プリントがあるんだね。1問だけやったら遊びに行こう」「漢字書き取りがあるんだ。1字だけ書いたら遊ぼう」。

「とりあえず1問」で見通しをつける

1問だけならかなりハードルが下がります。そして、1問やるときに、他の問題は全部隠して1問だけ見てやるということはありえません。つまり、自然に全体が目に入るのです。すると、「だいたいこれくらいでできるな」「○○分くらいでできるな。大したことないな」というように、かなり見通しがつきます。

ここまで見通しがついていると、遊びから帰ってきて本格的に取りかかるときのハードルが大いに下がります。大人の仕事でもそうですが、とにかく見通しがないときが大変なのです。何か仕事をしていて見通しがないとき、出口が見えない、全体量がわからない、現在地もわからない、後どれだけやればいいのかわけがわからない、こういうときがいちばん苦しいです。出口がほのかに見えた瞬間に、全体量もわかり、現在地も、そして残りの量もわかり、気持ちが一気に軽くなり、やる気もわいてきます。

さて、その男の子は、1問やり始めると軽くスイッチが入るようで、ついでに2問、3問、あるいは半分、ときには一気に全部やってしまうこともあるそうです。でも、これはおまけです。親が初めからそれを期待してしまうと、子どもに警戒されるので気をつけてください。

この「とりあえず準備方式」と「とりあえず1問方式」は、夏休み、冬休み、春休みなどの長期休業のときにも使えます。たとえば、朝食の後で勉強と決めたならば、朝食の前にとりあえず準備しておきます。可能なら、とりあえず1問、あるいは1問ずつやっておきます。

また、これは私たち大人の仕事やプライベートでも使えます。たとえば、私が「○○についての原稿を書いてください」という依頼をメールで受けて引き受けたとします。このとき、「ああ、○○についてか……。ちょっと調べて書かないとならないから面倒だな」と思って後回しにすると、そのままいつまでも取りかかれずに、あっという間に締め切りということになりがちです。

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