急拡大する「糖質制限」市場が日本を救う! 3000億円を突破!新市場をこう攻めよ
2つ目は、目的に合わせた糖質制限の違いを出すと、さらに、お客さんにとって便利だろうということです。
糖質制限食と一口にいっても、その制限のレベルにはいくつかあります。前回(「糖質制限でも痩せない!」にはこう対処せよ)も示しましたが、国際的な糖質制限食の定義は、次のようになります。
1日の糖質量が130g以下の食事を低糖質食(糖質制限食)と呼ぶ。
1日に130g以下ですから、単純に3食で割れば、1回の食事は43g以下ということになります。この基準をクリアしていれば一応、糖質制限食ということになります。
そこで、北里大学の山田悟医師の緩い糖質制限食(「ロカボ」)の場合は、1食当たりの糖質量の目安を20~40gとしています。糖質制限食の定義は満たしていますし、ダイエット目的ならばこれでもいいのでしょうが、糖尿病の患者さんには少し緩すぎるので私はすすめられません。
私がすすめる「スーパー糖質制限食」の場合、1食当たりの糖質量の目安を20g以下としています。ダイエットはもちろん、糖尿病の患者さんでもこの糖質量ならば問題ありません。
また、最近では、より厳しく糖質を制限し、脂質の摂取比率を87%にする「ケトン食」にチャレンジする方も増えています。
このように、糖質量によって、ダイエット目的か糖尿病などの治療目的なのかが分かれてきます。できれば、この違いを意識して糖質制限メニューを開発していただければ、さらに利便性が増すでしょう。
そして、レストランやメーカーの側が、糖質量をここまで意識して表示してくれれば、お客さんの側は、自分の責任で判断できるということなのです。
ちなみに糖質は、よく炭水化物と混同されやすいのですが、正しくは、「糖質=炭水化物-食物繊維」という関係になります。食物繊維は、糖質制限的にはOKですから、炭水化物ではなく糖質の量を消費者に伝える必要があるわけです。
意外な経済効果をもたらす可能性
医師の私がこのようなことを言うと変に思われるかもしれませんが、糖質制限食の広がりが、長くデフレで苦しんでいた日本経済を活性化させるかもしれません。
これは、2005年に糖質制限食を日本で初めて紹介して以来、12年にわたって普及に尽力してきた私の偽らざる実感です。
前述のように2016年は3431億円と試算された糖質制限市場は、加速度的に拡大している現状からすれば、今年(2017年)は4000億円近くになると思われます。この勢いのままで行きますと、兆円単位に達するのもそう遠くない将来でしょう
この新市場の創出による経済効果は、非常に大きいのではないでしょうか。
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