急拡大する「糖質制限」市場が日本を救う! 3000億円を突破!新市場をこう攻めよ

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コンビニエンスストアでも、ローソンが早くから糖質制限食に積極的な対応をしてきました。同社では糖質制限のパン(ブランパン)を出していて、売り上げが好調なようです。ファミリーマートでも、ライザップとコラボした低糖質商品が続々と投入されています。

さらに、食品産業も新しい商品の開発に乗り出しています。たとえば、練り物やおでんだねのメーカーとして有名な紀文では「糖質ゼロ麺」を出しました。これは、小麦粉で作られている通常の麺類の代用となる糖質制限用の食品です。

また、大手ビールメーカーでは、アサヒビールが「スタイルフリー」を発売して以来、どこもこぞって糖質ゼロの発泡酒を出しており、すでに定番となっています。

こうした流れは、調味料や食材などにも波及しています。砂糖に代わる甘味料として注目を集める糖質ゼロの天然由来甘味料「ラカントS」(サラヤ)は、5年間(2012~2016年)で売り上げが5割増になったそうです。

このほか、小麦粉に代わる大豆粉の開発なども、さまざまなメーカーで進んでいます。

以上のような食品や外食の業界における糖質制限食への対応は、まだほんの序の口といったところです。

これからの日本では、糖質制限への利便性を考えなければ、食品や外食の業界は成り立たないところまで行くでしょう。

経済界でも糖質制限は注目を集めているようで、『日経ビジネス』(2016年11月7日号)が「糖質制限パニック」という大特集を組んでいました。

そのなかで、自身も糖質制限を実践する伊藤忠商事の岡藤正広社長は、「みんなも糖質に気を配るようになったら、糖質が大量に含まれる商品は、当たり前のように売れなくなる。その代わり、糖質制限向けの食品やサービスの需要が高まっていく。だから糖質制限のマーケットは、これからもっと大きくなるよ。本気で対応していかないかんと思うよ」とおっしゃっていました。

もし、糖質制限食を一時のブームだと思っている業界の関係者がおられるのなら、早く認識を改めたほうがよいのではないでしょうか。

糖質制限メニュー・商品を開発する際の注意点

最近では、うれしいことに街のレストランなどで糖質制限食のメニューを用意してくれるところが増えています。

そうした糖質制限メニューをよりよくするために、2つ、ご提案があります。これは、糖質制限商品の開発についても共通して言えることです。

1つ目は、なるべく糖質量の表示をしてほしいということです。

糖質制限食は、糖質の量によって効果も目的も変わってきます。糖質量に合わせてメニューを選べるようにしてもらうと、お客さんとしては便利なわけです。できれば、糖質制限食としての基準となる糖質量をお客さんの側に示し、そのうえで、お店のメニューの糖質量も書いてあれば、さらに親切だと思います。

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