「自宅のモノ溢れに悩む人」はトヨタ式に学べ しまいこんだ高級品はあえて使ってしまおう

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Eさんの話に戻りましょう。私には段ボールの山よりも気になったことがありました。段ボールに寄り添うように、いろんなモノが置かれていたことです。

・買いモノついでに買ったお風呂洗剤のストック
・先月の出張で使った資料の束
・定期的に届く大量のサプリメントと化粧品
・お葬式で持ち帰ったのりとお茶のセット
・昨日使った通勤バッグ

そういった、「毎日少しずつ持ち帰った何気ないモノ」が段ボールにもたれかかるように置かれるため、少しずつ段ボールの山の「すそ野」が広がっていくのです。「モノがモノを呼ぶ」とはまさにこのこと。同じように部屋の中に伏魔殿ならぬ「伏ゴミ殿」があるという人は多いのではないでしょうか。

モノを捨てられない方には、漠然とした「捨ててしまうことへの不安」があります。「片づけるということは、捨てなきゃダメなんですよね?」と聞かれることが多いのですが、答えは「NO」。必ずしも捨てる必要はありません。では、どうすればよいのでしょうか。

ズバリ「減らす・生かす」のです。

減らし方は、全部で3つ。

(1) 分ける

(2) 「1軍」へ昇格させる

(3) 自由に使える空間を広げる

そして、生かし方も全部で3つ。

(4)使いきる

(5)流用する

(6)譲る

この(1)~(6)を行うことで、家の中のムダ取りを行います。

「毎日使う/週1/月1/年1」で分けるとうまくいく

トヨタグループでは、モノの置き場所を「使う頻度別」で決定しています。でも、家の中は仕事と違ってくつろぐための空間ですから、雑貨などは使用頻度では分けにくいですよね。そういうモノは「好き」「嫌い」という軸で分ける作業を行うのですが、明確に使用頻度で分けて収納するとよい場所として具体例を1つ紹介しましょう。食卓用のナイフやフォーク、スプーン、箸などを収めている「カトラリーケース」です。

・はし
・スプーン
・フォーク
・ナイフ
・その他

以前、4人家族のお客様の家で、フォークだけで20本もあったケースがありました。これはよくある例です。この数を使用頻度で分けてみましょう。

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