「会社がツラい」新人は5人の話し相手を探せ ビジネスマナーを覚えるよりも大事なことだ

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1.自分の仕事を理解してくれる人

職場でこんな大変なことがあって……と相談しても、職種がまったく違ったり、あなたの仕事内容をまったく知らない人に話しても「そんなことってあるんだ。大変だね」とひとごとの対応をされて、余計にむなしくなってしまうこともあります。加えて、業務上の話には守秘義務があります。誰かれ構わずに話していいことばかりとは限りません。

安心して話せて、かつ「わかる~!」と反応してもらえる同じ職場の方がいるといいですね。相手から同感してもらうことで、そう感じているのは自分だけではないという「安心感」から、心の回復が早まることがあります。

2.経験、知識が豊富な人

当然のことながら、人は自分の知っていることや経験したことをベースに、物事を判断します。まだ経験の浅い場合は特に「知る」ということが解決への近道になるのです。一方的な見方になりがちなところに、違う視点で意見をもらえることによって、物事を多角的にとらえられるようになります。したがって、社会人経験が長いベテラン社員など、知識も経験もたっぷりもっている人に相談してみれば、悩みの解決につながるような選択肢を増やすことにつながります。この場合、同じ職場の人でなくて構いません。かえって違う職場(部署)のほうが、新鮮な意見を聞けるかもしれません。

3.一緒にいて癒やされる人

一緒にいて心地よい人です。リラックスできる相手とは、楽しい気持ちを共有するのに最適です。日々の緊張感から解放されるひとときは、精神衛生上、最も重要だともいえます。

4.利害関係が存在しない人

仕事上の利害関係が存在しない人です。利害関係や上下関係があると無意識に言動を制限してしまいがち。言いたいことも、伝えられません。フラットな自分を語れる相手の存在は、自己理解を深めるために最適といえます。

5.家族など身近な人

つらいことがあれば、ときには感情的になることもあるでしょう。そんなとき、本音や自分の嫌な部分をさらけ出せる相手となります。耳の痛いことを言われることもあるかもしれませんが、本当の意味で親身になってくれる人がいることは重要です。

さて、以上のような相談相手をつくるためには、どうしたらいいのでしょうか。大切なのは、「すぐにいい関係になれる」と思わないことです。人間関係は、スモールステップで育っていくものです。1回話してうまくいかなかったからといって、あきらめないでください。人間関係とは、何度もやり取りを重ねていくことでつくり上げていくもの。第一印象で苦手だと思った相手でも、かかわりを積極的に持つことを心掛けてください。

新入社員のみなさんには、こうした人間関係の構築が、充実した社会生活を送っていくうえでなにより重要なスキルであることを強くお伝えしたいと思います。

職業生活の悩みの原因の9割は、人間関係に起因すること。「5人の相談相手」を見つけることができたら、長く続く社会人生活を、豊かで快適に送るための基盤を固めることができるようになるでしょう。

大野 萌子 日本メンタルアップ支援機構 代表理事

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おおの もえこ / Moeko Ohno

法政大学卒。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ資格認定機関)代表理事、産業カウンセラー、2級キャリアコンサルティング技能士。企業内健康管理室カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメントなどの分野を得意とする。現在は防衛省、文部科学省などの官公庁をはじめ、大手企業、大学、医療機関などで年間120件以上の講演・研修を行い、机上の空論ではない「生きたメンタルヘルス対策」を提供している。著書に『よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑』(サンマーク出版)がある。

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