「EUとの離婚」で最も割を食うのは誰なのか 離脱マシンと化した英政府にはわかるまい

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ボリス・ジョンソン外相は、主導権は英国にあると主張する。閣僚たちによれば、世界中が英国とビジネスをしたがっているから、仮にEUと協定が結べなかったとしても何ら問題はないのだそうだ。とても円満離婚といった趣ではない。

離脱希望者は何を望んでいたのか

経済が打撃を受けるだけでも、英国には十分痛手だ。加えてわれわれは、合意形成を通じて多数派の暴走に歯止めをかける議会制民主主義のしきたりまでをも覆しつつある。

離脱票を投じた52%の有権者が、具体的に何を望んだのかは今もはっきりしない。だが、首相や離脱派は、「国民の意思は示された、後戻りはできない」と前のめりだ。英国の主権を取り戻すためには、国会の議論さえシャットダウンせねばならない、とでも言わんばかりである。

こんな離婚はうまくいかない。手続きは始まったばかりで、英国の未来は誰にもわからない。だが、自信を持って言えることがある。どんな離婚でも、最も苦しむのは次世代を担う子どもだということだ。

クリス・パッテン 英オックスフォード大学名誉総長

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Chris Patten

元英国保守党議員で最後の香港総督。欧州委員会外交専門部会委員、英オックスフォード大学総長を歴任。

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