岐路に立つ「EUの存続」は仏大統領選次第だ

ポピュリストの力はまだまだ侮れない

フランス大統領選で支持を伸ばしている中道系独立候補のマクロン前経済相。選挙活動先の同国ディジョンで撮影(ロイター/Robert Pratta)

EU(欧州連合)発足60周年の今年、移民排斥を唱えるナショナリストが欧州の自由主義社会を破壊しようとしている。最近のオランダ総選挙で示されたように、そうした勢力は打ち負かせる。だが、EUを存続させるカギは、来春までにフランス、ドイツ、イタリアで行われる重要な選挙の結果が握っている。

EU存続に向けた最初のステップは、ポピュリストの脅威の深刻さを認識することだ。欧州の大半の人々は、EUを破壊すべくポピュリストを支援しているウラジーミル・プーチン露大統領のサイバー攻撃とプロパガンダの力を過小評価し続けている。オランダ総選挙では極右が敗北したが、ほかの国でポピュリストが政権を奪う危険は去っていない。

ルペン勝利はEUの致命傷に

4月~5月のフランス大統領選で、極右政党である国民戦線のマリーヌ・ルペン党首が勝利すると、EUには致命傷となりかねない。ルペン党首が敗北した場合でも、次回のイタリア総選挙で反EU政権が発足すれば、欧州通貨ユーロは危機にさらされるだろう。

また、ハンガリーやポーランド、スロバキアではすでに反EUの権威主義的なナショナリストが率いる政権が樹立されている。英国のEU離脱の影響や、ドナルド・トランプ米大統領が明確な反EU姿勢を示している事実からすれば、今後の各国の選挙の行方は予断を許さない。

政権を獲得できないまでも、ポピュリストは深刻な打撃をもたらす。オランダ総選挙で極右の自由党は首位の自由民主国民党に大きく引き離されて2位となったものの、勝者であるルッテ首相に対し、移民に厳しい措置を講じるよう要求した。

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