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松下幸之助「日本の伝統精神」の3つ目とは? 1「衆知を集める」、2「主座を保つ」

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  • 江口 克彦 一般財団法人東アジア情勢研究会理事長、台北駐日経済文化代表処顧問
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また聖徳太子さんの話になるけど、十七条の憲法の、その最初のところに、「和をもって貴しとなす」とあるやろ。人間はお互いに仲良くすることが大切であって、争いや戦争をしてはならない、和の精神を貴び、平和を愛好しなければならないということやな。

今日、世界の国々が相寄って、国際連合というものをつくり、争いをなくし、平和を維持していこうとしておるわね。けれども、そうした平和の精神、和を貴ぶ心は、日本においては、すでに1300年前に、今の憲法とは、性質は異なるけど、国家の基本の法律である憲法の、しかもその第1条にはっきりと掲げられている。

むろん、和を貴ぶことの大切さ、平和を愛することの必要性を説き、教えた聖人哲人といわれる人々は、世界中にたくさんおったやろうな。仏教や儒教の教えにも当然そういうものがあるわね。けど、1300年前に、それを憲法の、しかも第1条に掲げて国家経営の指針とした国が、ほかにどれほどあるんやろうか。わしはほとんどいないと思うな。

そういうことを考えてみても、日本人には世界のほかの国民にもまして、本来、平和愛好の念に強いものがあり、そういうところに、日本人としての伝統精神のひとつの根底があるように思うね。

負けた相手に対し、十分な敬意を表する

武士道というと「葉隠(はがくれ)」というのか、あれがこの前の戦争のときに使われて随分と誤解をされてしまったようやけど、まあ、武士の情けとか哀れみとか、そういう言葉があるように、決して争いを好むということが根底にあるのではない。むしろ戦わんと。戦わずして勝つのが武士としては最上であると、そういう考えであるわけや。

あるいは、ひとつの戦があって、一方の軍が勝ち、一方が負けたときに、勝ったほうの大将が、負けたほうの大将の首実検をする。それを非常に丁重に、ひとつの礼をもって行ったということや。「あなたは、武運つたなく戦に負けたけれども、立派な戦をされた。だから、私は心から敬意を表する」ということやな。礼をささげる。

そういうところにも、まことに興味深いものがあるわね。戦争それ自体は、やむを得ずしたけれども、しかし、負けた相手に対しては、十分な敬意を表して、ねんごろに弔う。そういう姿をもって、当時の人々は、戦(いくさ)の道、もののふの道、人の道としたわけやな。おおむね単に憎しみをもって相手を倒すということとは違ったものがそこにあると思う。

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【日本人がどのように歩んできたか】

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