働く女性が増えれば、男はもっと冒険できる テラモーターズ徳重社長、イノベーションを語る(下)
徳重社長による講演の後、参加者のみなさんより多くの質問をいただきました。そのQ&Aの模様をお伝えします(モデレーター:佐々木紀彦)
朝令暮改なんて遅すぎる
質問①:スピード感を持って決定することが大事だというお話でしたが、どうやって決定にスピード感を持たせようとしていますか?
僕たちも決定の前は、大企業と同じように徹底的に分析します。市場があるかとか、競合はどうだとか、法律がどうだとか、電気料金がどうだとか、労働管理だとか。本も買って、その産業の人にも会って、日本でも現地でもキーマンみたいな人に会いに行く。それでだいたい情報は集まるのではないですか。
ただ新興国の場合、政府の白書などもないし、最終的に埋めようとする項目は全部埋まらない。あとは現場感覚で60%いけると思ったら決めます。
先日、日産の人たちと話していて、「何でそんなに臨機応変に変えられるんですか」という質問を受けたんですよ。僕が尊敬しているカルロス・ゴーンの日産ですら、一度決めたら、途中で軌道修正するのは難しいらしいですね。
それで、うちと日産は何が違うのかなと考えたら、シンプルにわかった。僕たちはベンチャー起業だから、結果にこだわっている。結果を出すためなら軌道修正もいとわない。状況が変わったり、新しい情報が入ってきたりして、こちらのほうがもっと結果が出やすくなるとわかったら、それを変えるのは僕たち的には当たり前で、逆に変えないのはすごいと思う。
今はそういう日本人が多いけれど、昔からそうだったわけではなくて、僕の尊敬するソニーの創業者の盛田昭夫さんの本を読んでいたら、こんな意味のことが書いてありました。
「朝令暮改なんて遅すぎる。朝決めたことは昼変えろ」
そういうところは今、すごい硬直感がありますよね。