それでも強気を貫くコマツ 中国建機が急落

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建設機械業界が、バブルに沸いた中国の需要急落に直撃している。油圧ショベルで昨年コマツを抜いて中国シェア首位となった三一重工が2012年7~9月期に前年同期比7割近い営業減益となったほか、コマツも建機部門の中国向け売上高が4割強減るなど軒並み苦戦している。

母国中国への依存度が約9割と高い三一重工。昨年からの増産攻勢で過剰在庫が急速に積み上がった。これを処理しようと、後先考えずに安値と販売条件の緩和で建機を売りさばいた結果、売掛金の回収に難航しているもようだ。

三一重工は7~9月期の決算発表を10日後に控えた10月20日、貸倒引当金の計上基準を緩和すると突然発表。同期の純利益を4億7000万元(約60億円)カサ上げした。日系企業からは「ありえない。中国勢の数字はもう信用しない」(大手建機首脳)とあきれる声も出ている。そのような苦肉の策を弄してしまうほど、現地王者は焦っている。

中国の建機市場(外資メーカーのみ)は、4兆元の景気刺激策が行われた09年度から10年度にかけ、10万台を超える規模まで倍々ゲームで急増。ところが、4兆元効果が剥落した昨春から市場は一気に冷え込んだ。今年度は5万台弱と、ピーク時の半分以下に落ち込む見通しだ。

もっとも、コマツの7~9月期の建機・車両部門の売上高に占める中国の比率は前期でも10%を切っている。今期は5%と半分近くまで低下しており、今後の中国市場での影響は限られる。

ただ、中国減速の影響は、巡り巡って業績の屋台骨である超大型鉱山機械にもじわりと波及している。資源価格の下落で鉱山会社が操業停止や投資の先送りに動き、インドネシアの炭鉱向けを中心にキャンセルや納入延期が相次いでいる。鉱山機械は売上高営業利益率が約2割とドル箱であり打撃は大きい。

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