有給休暇取得率ランキング・トップ100--首位のダイハツ、ホンダほか自動車勢が上位、業種では電気・ガスがトップ《CSR企業総覧2012年版・注目ランキング》
もうすぐ夏本番。「今年は有給休暇を使ってたっぷり休もう」と考えている人もいるかもしれない。その一方で「なかなか休みが取れない」と嘆く声も少なくない。では、実際の有給休暇の取得率はどうなのか。有給休暇取得率の3年平均値のランキングをご紹介しよう。
取得率は、実際の有給休暇取得日を繰越分を除く有給休暇付与日数で割って計算。会社によっては前年の繰越分を含めて取得し、数字が100%を超えていることもある。今回は単年度のバラツキをならすため3年平均値を使用。対象は『CSR企業総覧』2012年版に掲載している3年間の有給休暇取得率を開示している769社だ。
まず業種ごとの平均値をご紹介する。業種別では電気・ガス業の取得率が78.9%と最も高かった。続いて輸送用機器71.6%、ガラス・土石製品67.0%と続く。
一方で最も低いのは小売業29.4%。他にも建設業32.5%、倉庫・運輸関連業34.5%、不動産業35.3%などが下位となった。
全体の平均は50.6%。傾向的には非製造業の取得率が低い。ただし、業種によっては集計対象の社数が少なく、一概にその業種の傾向と言えないこともあるので注意が必要だ。
業種 | 社数 | 平均有給休暇取得率(%) |
水産・農林業 | 3 | 39.9 |
建設業 | 40 | 32.5 |
食料品 | 36 | 50.7 |
繊維製品 | 16 | 46.0 |
パルプ・紙 | 9 | 47.0 |
化学 | 59 | 56.3 |
医薬品 | 16 | 52.6 |
石油・石炭製品 | 3 | 64.8 |
ゴム製品 | 11 | 48.8 |
ガラス・土石製品 | 9 | 67.0 |
鉄鋼 | 15 | 52.5 |
非鉄金属 | 9 | 63.4 |
金属製品 | 20 | 45.8 |
機械 | 41 | 54.1 |
電気機器 | 86 | 56.4 |
輸送用機器 | 44 | 71.6 |
精密機器 | 15 | 47.6 |
その他製品 | 25 | 44.2 |
電気・ガス業 | 11 | 78.9 |
陸運業 | 9 | 61.9 |
海運業 | 6 | 38.0 |
空運業 | 2 | 50.0 |
倉庫・運輸関連業 | 8 | 34.5 |
情報・通信業 | 54 | 60.3 |
卸売業 | 73 | 41.3 |
小売業 | 37 | 29.4 |
銀行業 | 23 | 47.1 |
証券、商品先物取引業 | 8 | 42.9 |
保険業 | 9 | 43.5 |
その他金融業 | 12 | 57.1 |
不動産業 | 13 | 35.3 |
サービス業 | 47 | 49.6 |
全体 | 769 | 50.6 |
(出所)『CSR企業総覧』2012年版
続いて個別企業のランキングを見ていこう。1位は100.4%でダイハツ工業、ホンダの2社。ダイハツは半日単位の取得制度などを整備。ホンダは有休残が20日以下になるように計画的な取得に取り組んでいる。3位は相鉄ホールディングス98.9%、4位テイ・エス テック98.1%、5位トヨタ車体98.0%と続く。
上位10社のうち7社は輸送用機器。自動車業界では有給休暇取得率の高い会社が多いようだ。ただ、昨年は東日本大震災発生後の工場操業停止で、従業員は有給休暇消化となり取得率が上昇した会社もある。こうした特殊要因も考慮しておいた方がよいだろう。