”ドル箱”中国に足止めを食らうコマツ
中国関連の代表的な銘柄に数えられるコマツ。中国の高度成長を糧に躍進してきた建設機械世界2位メーカーが、その中国に足止めを食らっている。
コマツが10月30日に発表した12年4~9月期(上期)の実績は、売上高9308億円(前年同期比5.6%減)、営業利益1112億円(同16.3%減)と減収減益だった。
大きく響いたのが中国事業の低迷だ。中国の建機需要は、昨年の春以来、毎月のように前年同月比で4~5割減とどんどん落ち込み、今も下降を続けている。工事の執行が遅れ、個人客が建機を買っても稼ぐことができないからだ。
コマツの上期の中国向け売上高は625億円と、前上期から55%も減った。中国関連銘柄の代表格とされるコマツだが、売り上げ全体に占める中国向け比率は7%(前年同期は13%)にまで縮小。12年7~9月期(第2四半期)に限れば、わずか5%にまで落ち込んだ。藤塚主夫常務は、「中国の足元の建機の稼働状況はまだ悪く、この時点で今後を見極めるのは難しい」と話す。
さらに中国の景気減速は意外なところにも波及している。インドネシア向け鉱山機械である。中国の資源消費の落ち込みによる資源価格の下落が、めぐりめぐってドル箱事業の鉱山機械にまで影を落とし始めたのだ。
7月頃からインドネシアの石炭鉱山向けでは、キャンセルが相次いだ。インドネシアには中小の鉱山会社が多く、資源価格の下落で採算が取れずに操業停止する業者が出てきた。そのせいで、今期出荷予定分の受注残のうち、石炭(燃料炭)関係の比率は、5月末の28%から9月末で12%に急減した。藤塚常務は「今期分のキャンセルリスクはもうなさそうだ」とみるが、予断を許さない状況だ。