「ワンオク」は世界でベビメタを超えられるか 米国人の元ミュージシャンが分析!

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何がこの2つのバンドをそれほど密接に関連づけているのだろうか。

彼らは両者ともJ-Rockという広い傘の下に収まっている。このジャンル名は事実上、アンプが必要な楽器を少なくとも1つは使用している日本のすべてのバンドに使われている。東京のパンクバンド? J-Rockだ。名古屋からのスラッシュメタル? それもJ-Rock。少年ナイフ? フォークロッカーのはっぴいえんど? 名前が残念なMr.Children? 全部J-Rockだ。

「J-Rock」というラベルは何にでもつけられているように見え、そんな大ざっぱなジャンルは役に立たないと言ってしまいたくなる。しかし、J-Rockファンたちはその広い守備範囲を利用し、多種多様な音楽スタイルとアーティストを楽しんでいるのである。

アミューズにとってはラッキーだった

米国にかぎらず、海外のJ-Rockファンはそれぞれ自分が好きなバンドが好きなのであり、ほかと比べて優越感に浸ろうとは考えていない。実際、ネット上にあるJ-Rockファンの掲示板はどこよりも明るくポジティブな掲示板の1つだ。

ONE OK ROCKとBABYMETAL両方が所属するアミューズグループは、米国でONE OK ROCKとBABYMETALを売り出し始めたとき、米国にこれほどオープンマインドで熱烈なオーディエンスがいるのを知って喜んだに違いない。この2つのグループは同じレーベルに所属しているため、必然的にもう1つのバンドのファンにも宣伝が届くことになる。そして、それぞれのファンは自分が「ファンではないほうのバンド」の宣伝をされても、それすらSNSで拡散する。これは、米国のファンがいかにオープンマインドかを示している。

「ホーム」である日本では、ONE OK ROCKとBABYMETALはスタジアムを満員にするほど多くのオーディエンスを集められる。一方、海外では、両バンドとも2014年に北米での初めてのツアーを実施。最近、再び行われた海外ツアーでも、競技場や大ホールといった大規模な会場でメインアクトを務めている。

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