「ワンオク」は世界でベビメタを超えられるか 米国人の元ミュージシャンが分析!
NHKの音楽番組で初めてONE OK ROCKを聴いたとき、最初に胸を打ったのは彼らの音楽に対する情熱だった。テレビスタジオのステージの均質化するような制限の中でも、彼らは自分たちのやっていることに、真に夢中になっているように見えた。リードシンガーであるTAKAが何気なく行っているように見える、日本語から英語、英語から日本語へとスイッチする能力は特筆すべきものだ。
彼らの楽曲を掘り下げてみてわかったのは、このバンドは聴いてくれる人々とつながろうと強く思っているということである。たとえスタジオプロデューサーが彼らの作品にどれほど多くのレイヤーを重ねようとも、だ。
5年後、米国で残っているバンドはどっち?
成功とは多くの意味を持ちうる。カネ、名声、受け継がれること、もしかしたらその3つ全部かもしれない。その中でも、アーティストにとっては、受け継がれることこそが最も重要なことだろう。ONE OK ROCKとBABYMETALの両者とも、もはや失敗することはないだろうが、5年後に米国で残っているのはどちらのバンドかと聞かれたら、それはONE OK ROCKではないだろうか。
BABYMETALは最初に聴いたとき、強い印象が残る。彼女たちはものすごく楽しいし、彼女たちみたいになろう、と「類似品」が出てくることもまずないだろう。しかし結局のところ、このバンドが行っているのは優秀なプロダクションチームに声を与えることだというのはかなり明白だ。
一方、ONE OK ROCKはしばしば、プロデュースやミックスが過剰だと感じる時がある(時には彼らを覆い隠そうとしているのかと思えるほどだ)が、彼ら自身は自らの意思で自分の音楽とパフォーマンスにすべてを注いでいるように見える。
BABYMETALのバックバンドがマスクの陰に隠れて演奏している中、ONE OK ROCKは、会場までそのままの格好で来たんじゃないかと思うようないでたちでステージに上がる。それは純粋な、「俺たちはここにいるぞ」という存在感があるということだ。ローリングストーンズのようなバンドになれるかどうかはわからない。しかし、本当にクールなバンドという聖なる殿堂にその名を刻むことになるだろう。私が見た限りでは、彼らはそれでまったくかまわないと言うだろうと思う。
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