「単語力」を伸ばさなくても英会話はできる 大切なのは「かみ砕き&言い換え力」だ
そこで今回は、英語にしにくい日本語を「かみ砕き&言い換え」で、通じる英語にする方法をご紹介したいと思います。
日本語には英語に直訳できない言葉がたくさんある
日本で生まれ育った日本語のネーティブスピーカーである皆さんは、何かものを考えるときは母語である日本語で考えるはずです。英語をしゃべる時にも、慣れないうちはおそらく日本語で考えたことを、英語に直訳して(変換して)話そうとする人がほとんどでしょう。
この「日本語で考え、英語に訳す」というプロセスの中に、実は英語が話せない人をつくってしまう大きな要因があるのです。
改めて言うまでもありませんが、日本語と英語は「かなり違う」言語です。さらに、言語が生まれてきた背景である文化や習慣も、英語が母語として話されている国とは大きく異なります。そのため、自分が考えて、口に出したいと思った日本語に、「ピタリとはまる英語がない」ということがよく起こるのです。
たとえば、英語で「会社の先輩」はどう言えばいいでしょうか。会社の先輩は、通常は「年上の同僚」なので「elder coworker」でよさそうです。実際、悪くありません。日本の学校英語ならおそらく「〇」がもらえます。
ただ、日本語の「先輩」という言葉のニュアンスまで考えるとどうでしょうか。日本語でいう先輩というのは、ただ単に年長であるだけではなく、面倒を見てくれたり、いろいろと教えてくれたりと、尊敬の対象であることも少なくないはずです(もちろん先輩にもいろいろな人がいて、尊敬できない人もいるかもしれませんが……)。
ところが「elder coworker」だと、自分との年齢の差だけが強調されてしまい、先ほど説明したようなその他の要素は伝わりません。これでは、相手と状況によっては説明不足になることもあるでしょう。
ここで問題なのは、「elder coworker」と言うこと自体ではありません。何も補足をしないことが問題なのです。このような場合、日本語の持つニュアンスをより正確に伝えるために、その言葉の「定義」を、たとえば以下のような簡単な文で補足してあげるのが、真意をより正確に伝えるために有効です。
(彼女は私より年上で長い経験を持っています。)
また、直接的に年長であることを伝えずに、先輩であることを「ニュアンス」で伝えるという方法もアリです。
(彼はうちの会社で20年働いています。こういった事情をとてもよく知っています。)
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